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紅い巨神・・・皆川が『ギガンティック』と呼んだそれは、バーチャルの空に向かって大きく吼えた 自らが生まれた事を誇る様に、或いは、呪う様に・・・ 「か・・・墨?なの・・・?」 『ギガンティック』の黄金の瞳がニビルを見据える ごうっ!! 「!!」 その一撃をかわせたのは全くの偶然だった 体が反射的に逃げた方向に、偶々手が来なかっただけの話で、攻撃そのものは全く見切れたものではなかった・・・それが左の爪を振ったのだと気付いたのすら攻撃直後だった その動きの速さは『G』の「Gアーム」・・・キャロラインが「ジェノサイドナックル」と呼んだ・・・に匹敵するものだった 神姫に十数倍するその体躯で神姫の最高速度近い攻撃を繰り出してきたと言う事は、この巨神が神姫を遥かに上回る速さを持っている事を意味した 「・・・あ・・・あぁぁ」 それは絶望的な戦力差と言わざるを得なかった 「奈落の底」 「画面が見えない・・・姉さま、どうなったんだろう?」 皆川は、機械をチェックすると言って出て行ってしまった 残されたランカー達は、各々露骨に不満そうな顔をしながらも、その場に皆留まっていた というのも、画面自体は見えないが、バーチャルスペースで戦闘の様なものが行なわれていると思しき音や気配がやまなかったし、ジャッジマシンがいかなる結果もまだ伝えては居なかったからであろう とはいえ、それだけの情報量ではヌルの不安感を拭い切るにはとても足りなかったのであるが 「クイントスさま・・・」 「・・・・・・やはり行く事にしよう」 「え?」 覗き込んだクイントスの表情は硬かったが、どこか嬉しそうでもあった そう言ってクイントスは華墨側のオーナーブースコンパートメントに向かう 「っ・・・待って!私も行く」 会場の誰も、ふたりが抜けた事に気付いていないようだった 明らかな戦力差だったが、ニビルは何とか回避し続ける事が出来た 何故か、使い切った筈の「ゴールドアイ」が復活したからだ それも、いつもより予見が冴えている 同時に判った事は、『ギガンティック』がほぼ「ジェノサイドナックル」「ゴールドアイ」に匹敵する速さと、先読み能力を持っている事であった (かわす事は出来ても反撃は無理ね・・・せめて空戦装備があれば話は違うのだろうけど・・・) 振り下ろされた右腕が大地を割る! 追跡してくる脚力はさながら「ジェノサイドナックル」の脚版だ、歩幅と相俟って、殆ど瞬間移動とも言える速さで移動出来る様だった (駄目、もうかわしきれない!!) 瞬間、『ギガンティック』の動きが止まる 空を見上げる様な仕草をし、どこか、ニビルに見えない遠くを見ている様だった ごつん!! 扉に剣戟で穴を開けて潜入する 強引だが、取り立てて気にした様子も無く、クイントスは佐鳴武士が居た筈のコンパートメントに足を踏み入れた そこに武士は居ない 代わりに、バトルポッドの前に、身長170センチ程の『ギガンティック』が佇んでいた 「!?」 ヌルの驚愕を無視して、クイントスが走る 「会いたかったぞ・・・!!」 ごうっ!! 剣速に音を引き連れて、クイントスの刀が鞘から引き抜かれる その一撃は、これ以上無い程明確に体格差のある『ギガンティック』の爪を一振り斬り飛ばし、刃先には一切血曇りを残さない程だった 怯んだ様子すら無く、ニビルも驚いた「ジェノサイドナックル」ばりの速さで殴りかかる『ギガンティック』・・・それを、クイントスはすんでの所で回避した 外れた拳で床が抉れる 見る迄も無い、神姫が喰らえば全壊は免れ得ない一撃だ・・・恐らく人間でもひしゃげるか、体の一部が捥げるだろう 「まだ自分の体の使い方が判っていないのか・・・?それとも所詮『まがいもの』なのか・・・?そんな程度では」 長い腕の下に潜り込み、合計4撃、極悪無比な音速剣が炸裂する それでクイントスの刀はへし折れたが、同時に『ギガンティック』の五体もバラバラに引き裂かれた 胸から大量の、人間のそれと同じ赤い血を噴き出しながら 「どんな強力な武器を持とうとも・・・それを扱う者が弱者では話にならないという事だな『華墨』とやら」 『ギガンティック』となっていた武士の胸に華墨が浮き上がり、剥離してゆくのがヌルには見えた 『よう華墨、しっかりしろよ』 (マスター?どうしたんだ一体) こんな所でぼさっとしてんなって!ニビルを倒して、クイントスに一泡吹かせてやるんだろ? 『勝とうぜ、俺達二人で!』 (あぁ・・・そうだな、そうだった、二人で勝つんだったな・・・『クイントス』に) そこは暗い奈落の底 漆黒の闇なのか、混沌なのか だが『私』は既に寄る辺無き花ではない 立ち上がり、歩き出す マスターが居てくれる・・・ならば取り敢えず、歩く道は判る だから、私のマスターで居て下さい・・・佐鳴武士 目を開けると、そこはどうもメディカルセンターの様だった 「目が覚めたみたいだね」 振り向くとそこには琥珀嬢とエルギール、それと、ニビルが居た 吹き込んでくる風が、季節の移り変わりを感じさせた どうも、私の認識から季節がずれている様に感じる 違う!季節はそう簡単にずれない、いかに今年は春が短かったからといって、この空気は私が知っている昨日迄と全く違う では、ずれているのは私の認識の方か・・・私の・・・認識・・・? 「マス・・・」 『マスターは何処に?』と聞こうとして、頭に激痛が走った 待て、待て待て華墨、お前は何か重大な事を忘れていないか・・・?何かとても重大で、そしてとても、巨大な何かを!? 「君のマスターは此処に居る、僕だ、僕神浦琥珀が、君のマスターだ」 それで、私の知る限りの全てを思い出した 「佐鳴武士は・・・死・・・」 吐いた 何かを そこで、自分のもうひとつの異常に気付いた 「君はね、普通の武装神姫では無くなってしまったんだよ・・・華墨」 「今の君は、人間とそう変わらない体を持っている、食事をし、排泄をし、呼吸をする体・・・機械と生体のハイブリッド・・・君は・・・」 吐いた、転げ回った 何も聞こえない 何も判らない 聞きたくない!!! 「落ち着きなさい!受け入れ難いのは判るけど!取り乱しても何にもならないッ!!」 ニビルに頬を張られて、動きが止まった 頭の中が真っ白になっていた ただ涙だけは出た 語る言葉も何も無く、ただ、溢れた そしてそれが、他ならぬ私自身に、状況を思い出させていた 「・・・・・・暫く一人にさせてあげよう、ニビル」 出て行く直前に、エルギールが私を見たが、それに対して何かを返す余裕は、今の私には全く無かった 「マスター・・・・・・!!」 その悲鳴に近い声は、涙と共に奈落の底に程近い今の私の心に大きく波紋を浮かべ、虚空に虚しく消えた・・・ 剣は紅い花の誇り 前へ 次へ
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「武装神姫のリン」 第17話 「花憐」 「ぶっふぇぇ!!!」 今日はリンの2回目の"誕生日"、それでリンにプレゼントに何がいいか聞いてみた。 その返答に対する俺の反応が上のモノだ。 思わず下品にも口に含んだものを吹き出してしまった… そのリンの返答っていうのが、 「子供が欲しいです」 うん、俺の反応は間違ってないはずだ。 茉莉も口をポカンと開けるばかりでティアもさすがに閉口している。 「…リン。判ってるよな? 子供って…」 「あの、私そんなに変なこと言いましたか? マスターが子供に相当するパーソナリティを持つモデルを買ってくれるって言ったじゃないですか。」 しばしの沈黙。そして… 「もう、亮輔のバカ!!!」 茉莉の思い切りのいいビンタを頂戴した俺であった…orz そして数時間後、俺たちはエルゴの店頭にいた。 頬を腫らしている俺を見て苦笑しながらも店長はかねてからおねがいしていた"頭身が低い素体"と"成長速度鈍化""子供思考"のCSCを棚から出している。 「ヘッドユニットはストラーフでいいのかな?」 素体とCSCを接続した店長が聞いてくる。 「はい、それでおねがいします。」 俺ではなく、リンが返答する。 「そういえば…ちょっと提案があるんだけど。」 「どうしたんですか?」 「あのね、今度から神姫の髪の色を変えるカスタムのサービスを始める予定なんだけど、この子にモニターっていうか、なんていうか試しにやってみないかい?」 「リン、どうする?」 「私が決めるんですか…じゃあお願いします。さすがに全く自分と同じ顔というのは気になるので」 「わかりました、で何色がいいのかな? 好きに選んでくれていいよ」 そういって髪の色のカタログやら見本をリンに渡す店長。 見ると茉莉やティアもカタログに見入って、話しをしている。 「ちょっと、亮輔君」 その隙をみて急に店長が俺に言い寄ってくる。なぜか俺だけに話したいことがあるらしいが… レジ裏にしゃがみこんだ俺と店長。そして店長は俺にものすごい小声でこう言ってきた。 「あれってリンちゃんのプレゼントだよね?」 「そうですけど、子供が欲しい…自分で世話をするからそういう子供に相当する神姫が欲しいって」 「たぶん前代未聞だよ、母親になる神姫だなんて…まあそれは置いといて。もう1個プレゼントになりそうなものが今、ウチにあるんだけど、どうかな?」 「物を見せてくれないとなんだかわからないんですが…」 「ふれあいツール"赤ずきんちゃんご用心"って言えばわかるだろう?」 「プ…ッ(必死に吹き出しそうになるのを押さえる音)」 「あれがね~幸運にも手に入ったんだよ。結構競争率高いらしいんだけどね。」 「で、俺とリンにですか?」 「うん、リンちゃんにもそろそろ"ホンモノ"の感触を知ってほしくないかい?」 俺の脳裏にピンクな景色が一瞬広がる 「…ホントに商売上手ですね、店長。」 「じゃあ買う?」 「ハイ。」 「じゃあがんばってね」 「あの、それっていうのはどういう意味で?」 「さあ~どっちだろうw」 そんな感じで商談が成立した。 そして何も無かったかのようにリンたちの所に戻る。さっきまでのことは忘れよう、ウン。 「決まったか?リン」 「あっ、マスター。いちおう決まったといえばそうなんですが…」 「じゃあ言ってみろ」 「黒はイヤですか?」 「なんで?リンが好きならそうすればいいだろ。」 「だって、マスターって金髪好きそうなんで…」 そうして茉莉の方を見るリン。 くそ、そんなにカワイイ表情しないでくれ…さっき想像したことが再び頭の中に浮かんでくるのをかき消して返答する。 「はは、そんなこと気にするなよ、もし俺とリンの子っていうなら黒でいいんじゃないか?」 「じゃあそれで、店長。黒でおねがいします」 「たしかに承りました。処理に5分ぐらい掛かるから待っててくれるかな?」 「はい、じゃあその間に料金払っときますよ、で合計でいくらですか?」 「うん…基本のセット料金に素体の特注のライセンス料、黒髪は特別料金だけど今回は割り引きで…しめて…この値段だね。」 まあ予想通り"それっぽい名目"で書かれた料金票を見る。 うん、この値段なら予算の範囲内だ、微妙に余計な費用が加算されたりはするが…今回はジェニーさんのレジを通すわけには行かなかった。 レジと接続した状態のジェニーさんにはそういう偽装は通用しないことは以前のことで知っていた。 だからこそ、店長に直接料金を支払うのだ。物はあとで取りにいくとしてもこれだけは回避しなければならなかった。 そうして支払いを済ませて待つこと数分。艶やかな黒髪のストラーフが俺たちの前に横たわっている。 CSCは先ほどのもに加え、"おしゃれ"を選択。これはリンの提案だった。 CSCおよび素体、ヘッドユニットのチェック完了。リンの娘である神姫が起動し、ゆっくりと瞳が開かれた。 「…う~ん、眠ぃ…」 第一声がコレだった。やっぱりCSCの特性が関係してるんだろう。とりあえず俺がまずはマスター登録をする。 「藤堂 亮輔をマスターとして登録しましたぁ~で呼びかたはどうしますかぁ?」 「お父さん、だ。」 「……お父さん…お父さんですねぇ~判りましたぁ…むにゃむにゃ…」 今にも寝そうな彼女を必死に起こして言う。 「まだ名前をあげてないだろ、キミの名前は花憐だ」 「花憐…カワイイ名前です~こんな名前をもらえて花憐はうれしいです。」 名前をもらえたことがいい刺激だったのか、眠そうだった花憐の目に光が宿ったように感じた。言葉遣いも安定してきた。 「それは良かった、それで…この子がキミのお母さんのリンだ。お母さんの言うことはちゃんと聞くんだぞ~」 「はい~わかりました」 そうして 花憐はくるっと回転して、リンに向き合う。 「お母さん よろしくおねがいします。」 「ええ、花憐」 リンは花憐を抱きしめる。 リンはとてもうれしそうで、涙さえ浮かべてた。 花憐のほうもなんだか安心したような表情で。 こうしてウチに新しい家族。俺とリンの"娘"の花憐が加わった。 これでウチは以前にもまして明るくなるだろう。この幸せを大切にしていきたい。そう俺は思った。 ~燐の18「アキバ博士登場」~
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学校魔改造計画とは YUKによって提案された、学校生活が楽しくなるように様々な施設を作り置いていく計画のこと。 作った施設に思い入れのあるキャラクター達の記憶を元に、雫世界に新しいリフレクターが来たので、物語が進む重要な目標となった。 施設について 作った施設は校庭・中庭の決められた場所に配置できる。配置した施設はキャラクター全員のステータスを強化する効果を持つ。さらに特定の施設はセットで置くことでステータス上昇にボーナスがかかる、重要な要素。 施設をレベルアップさせることで新たなステータス上昇効果が追加される。既にあるステータス上昇効果については、効果の高いものに強化される。(HP上昇・微とHP上昇・小の場合、小のみの効果に。) 施設にアクセスして、効果の適用をON/OFF切り替えられる施設もある。このタイプの施設には、”特定能力を強化する代わりに別の能力が下がる”といったデメリット効果を持ち合わせるものも存在する。 アイテム消費によって効果を発揮する施設は、次回のココロトープ探索時に効果を発揮し、学校に戻ってくると効果を失う。 自販機やたこ焼き屋などで実際に買い物ができたり、ベッドで好きな時間まで寝るなどのユニークな機能を持つ施設も。ホモ達の好きな施設を配置し、学校生活を楽しもう。 施設にはそれぞれS・M・Lの大きさがある。施設の配置場所にも広さが設定されている。Lサイズの大きさの設置場所には、M・Sサイズの大きさの施設も設置できるが、狭い場所に大きな施設を置くことはできない。 施設レベル3・4の強化には佳作・傑作が付いた素材が必要。素材作成時に、アイテム本質効果向上のユニット効果や、工作系タレントスキル「本質効果向上」持ちのキャラで工作すると付けられる。 建築施設に対して設置場所が足りていないので、現状施設全部を設置することができない。悲しいなぁ 素材を取る場所については、アイテムほかんこぉ^~を参照オナシャス! 一覧 サイズS 学習机セット カプセルトイ ビーチチェア 石灯籠 木人 野外用シャワー アサガオの花壇 宇宙服 天体望遠鏡 レトロな街燈 ビーチチェア(魔改造) サイズM 海の家 自販機コーナー たこ焼きの屋台 キャンプファイヤー 花畑のベッド 射的の屋台 風力発電機 井戸 たんぼ 動物の乗り物 ブランコ 笹と短冊 りんご飴の屋台 商店街ゲート 同人即売会ブース 星と月のベッド ひまわりの花壇 金魚すくいの屋台 大きなぬいぐるみ 野外ミニシアター グランドピアノ 動物の乗り物(魔改造) サイズL シンボルツリー カフェスペース 駅のホーム テント お社 コンテナ キャンプセット ロケット 縁側のある部屋 屋外コンサート会場 その他 プール風呂 施設一覧 テンプレ + ... サイズ 施設名 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 ×3 Lv.3 ×5+佳作×3+佳作 Lv.4 ×7+傑作×5+傑作 サイズS 学習机セット 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 状態異常耐性・小 丈夫な布×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 状態異常耐性・中 木の板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 衝突属性攻撃力上昇・微 木の板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 学習机のデートイベントは、日向に配置すると青空教室のような感覚を味わえる。ちなみに、雨天決行である。その日の天候には注意しよう! RNさんがHSZKさんに勉強してもらうために作った施設。学校の机と椅子が2つずつ、向かい合うようにくっつけて置かれている。でも、真夏の雫世界で青空教室は暑くて集中できないと思うんですけど…実際、勉強時間は増えていない気がするとRNさん談。まぁ、教室内より外の方がいろんな施設とかレズ達からのデートのお誘いとか誘惑が多いし、気が散るのも多少はね? ビーチチェア 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇・小 木の板×2丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 防御力上昇・中 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 南の島をイメージしたビーチチェア2つとビーチパラソル。あと、机には飲み物が置かれている。こんなところでHSZKさんが横になってたらレズ達からのナンパが絶えなさそう。YUK曰く、飲み物はちょっと失敗だけど、こういうのは気分が大事だから、多少はね?との事。 木人 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 戦闘訓練 木の板×1(木片)×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 与ダメージ上昇・微 木の板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 木の板×7+傑作強化木材×5+傑作 Lv.1の戦闘訓練は、木人にアクセスして戦闘訓練を受け、戦闘に勝利するとエーテルタイド習得可能。 カンフー映画の修行シーンで使われるやつ。飛び出た棒(意味深)を人の手に見立てて、型の練習をする。YUKやFMOの顔を貼り付けたらより熱心に練習できそう。 アサガオの花壇 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ギア強化攻撃力・中 瑠璃色の貝×1石ブロック×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 ギア強化攻撃力・大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 AO達がたんさく…(デケデケ)中に拾ったアサガオの種を植え付けを行う♂したもの。RNさんはグリーンカーテンの実験用に育てているみたいだが、大きさが足りないせいかあまり涼しくはならないらしい。こころのザーメンかけたら大きくなりそう。 天体望遠鏡 効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ノックダウン蓄積値上昇/耐性低下・大 レアレンズ×1エーテル合金×1ガラス板×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 ノックダウン蓄積値上昇/耐性低下・特大 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 本格的な天体望遠鏡。この施設がきっかけでRNさんのココロトープが現れた。YUKが、よく屋上で星を見てるRNが喜ぶかなと思って提案したらしい。恋人の鑑がこの野郎…YUKが星に興味がある理由を考えると涙がで…出ますよ… YUKすき 天体望遠鏡で太陽を見させる カプセルトイ コインを消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 経験値上昇・小 開かずの缶詰×1エーテル合金×1ガラス板×1 Lv.2 インファイト防御上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・中 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 ゲーセンとかショッピングモールとかに置いてある、ガシャポン。景品の紹介の画像にはモザイクがかけられている。HSZKさんは次回食事大盛り券を当てたことがある。割と大当たり確率はしょっぱいみたい。YUKをカプセルに閉じ込めて景品にしよう欲しい景品がある時はKRR様にお願いしよう!みょんみょんみょん…YUKはお金がすぐに無くなるけど、カプセルを開ける瞬間のワクワクには抗えないと言っている。 石灯籠 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 与ダメージ上昇/被ダメージ上昇・大 燃え尽きない炭×1石ブロック×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 与ダメージ上昇/被ダメージ上昇・特大 固形燃料×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 固形燃料×7+傑作強化石材×5+傑作 火を灯すとぼんやり光る灯籠。構造は上から宝珠、笠、火袋、中台、竿♂、基礎の部分から成る。火袋の中に蜂が巣を作ってたりするので、手を突っ込むのは、やめようね!KKRが昔住んでいた田舎の家の周りに沢山置いてあって、お祭りになると火が灯って綺麗だったらしい。 屋外用シャワー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 回復時回復・小 くじらの置物×1強化木材×1ガラス板×1 Lv.2 防御力上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 回復時回復・中 ガラス板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 ガラス板×7+傑作強化木材×5+傑作 回復時回復は、回復行動時に追加で回復量が増す YMD虐施設海辺とかにある屋外用のシャワー。一番上にはクジラの置物も。真夏の汗もここで流せばサッパリ。KKRは洗い流しても臭そう水の勢いはかなり強いので、扱いには気をつけよう!とHOR談。 宇宙服 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 インファイト時与ダメージ増加リキャスト時間 防御力低下・大 光沢フレーム×1ガラス生地の布×1強化繊維×1万能ネジ×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 インファイト時与ダメージ増加リキャスト時間 防御力低下・特大 ガラス板×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 回復時回復・微 ガラス板×7+傑作電気回路×5+傑作 宇宙空間での活動を可能にする服。YMDさんは、宇宙服を着なくても宇宙空間で活動できるのよね?色々な機能を備えている代わりに、かなり重いらしく、支えなしで着たらきっと後ろにひっくり返るだろうとMO姉は言っている。YUKすき ひっくり返したまま真夏の炎天下で放置した レトロな街燈 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇・中 レトロなランプ×1固形燃料×1ガラス板×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 防御力上昇・大 ガラス板×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 回復時回復・微 ガラス板×7+傑作万能ネジ×5+傑作 手動でお前の街燈に火を灯す♂古風な街燈。UTも古い本の中でしか見たこと無いが、見つめているとどこか懐かしい気分になるとの事。 ビーチチェア(魔改造) 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 経験値上昇・微 丈夫な布×2 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 経験値上昇・小 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 DLC限定設備。ビーチチェアの隣に並べて夏気分の写真を撮ることができる。 錬金釜 DLC限定ダンジョンのギミック解除に使用する。 施設レベル 設置効果 必要素材量 設置 錬金釜 うに×2ぷにぷに玉×2 Lv.2 封鎖解除 木の板×1 Lv.2 敵索敵範囲縮小 焔の黒砂×5 Lv.2 採取ポイント増加 マジカルアックス×5 Lv.2 移動ギミック追加 たちまち除草剤×10 Lv.3 封鎖解除 ぷにゼリー×5 Lv.3 敵索敵範囲縮小 一太刀ノコギリ×15 Lv.3 採取ポイント増加 強化木材×15 Lv.3 移動ギミック追加 電気回路×15 Lv.MAX 封鎖解除 ドンケルハイト×5 Lv.MAX 敵索敵範囲縮小 おかたづけモップ×20 Lv.MAX 採取ポイント追加 ハデス弁当×20 Lv.MAX 移動ギミック追加 星砕き×20 サイズM 海の家 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇・微 破れたすだれ×2木の板×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 木の板×3 Lv.3 防御力上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 秘密基地を作る目的で作った施設。なぜか海の家みたいになってしまった。かき氷ののぼりやシロップが置かれている。KKRはみんなでかき氷を食べられるからという理由で、こっちの方がお気に入りのようだ。 自販機コーナー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→ウルオスウォーター ジュースサンプル×1エーテル合金×1 Lv.2 HP上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 e/s加速度上昇・微 エーテル合金×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 エーテル合金×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 好きな時に飲み物やハンバーガーや食べ物等が買える自販機。HNKとのデートイベントは必見見てたらパンツ交換したくなるHNKもいつでも冷えた飲み物が飲めるのは嬉しく思っており、ハンバーガーの自販機があることに驚いていた。校舎内の自販機にも飲み物はありますよね? たこ焼きの屋 縁日利用札交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→たこ焼き 可燃ガスボンベ×1木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 防御力上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 たこ焼き交換料増加っぽい 固形燃料×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 貫通属性攻撃上昇・微 固形燃料×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 お祭りといえばこれ、というぐらい定番の屋台。ただし、中の具材はタコのような食感のナニカらしい。エリスロくんかな?SHさんもタコパの経験があるらしい。屋台には「星の宮名物」や「学校の風物詩」と書いてある。味の種類は、明太子、ねぎ、チーズ、天かすがある。生地をひっくり返すのには、結構コツがいるのです、とKKRが言っている。 キャンプファイヤー 固形燃料消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 回復時回復・中 木彫りの人形×1燃え尽きない炭×1木の板×2 Lv.2 HP上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 インファイト攻撃上昇・微 固形燃料×5+佳作+強化木材×3佳作 Lv.4 HP上昇・小 固形燃料×7+傑作強化木材×5+傑作 木を積み上げて作ったキャンプファイヤー。なんで材料に木彫りの人形を…?YUKとFMOをぶち込んで悲鳴を聞きながら眺めていたいHNK曰く、いつか作ってみたいと思っていたが、まさか学校で作るとは思ってなく、元の世界なら絶対に怒られていただろうとの事。 花畑のベッド 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 休憩好きな時間まで休憩(意味深)できる 寄せ集めたブーケベッドの部品木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 ドロップ率上昇・微 木の板×3 Lv.3 経験値上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 ドロップ率上昇・小 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 自販機ルームの前に設置することができ野外プレイを楽しめる。 花びらがハートマークになっていて、花はコスモスの想定らしい。 お花散りばめたベッド。HSZKさんはここでレズ達のお花も散らしてそうSHさんはHSZKさんとの為にベッドメイクを覚えたそうなので、散りばめたお花が崩れてもお任せください!と言っている。 射的の屋台 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 状態異常付与確率 効果時間上昇状態異常耐性低下・大 カラフルチョーク×1木の板×1丈夫な布×1七色ペンキ×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 状態異常付与確率 効果時間上昇状態異常耐性低下・特大 丈夫な布×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 縁日でよく見る屋台。HSZKさんの射的(意味深)の施設SHさんとのデートイベントは必見。現実の屋台では、景品を打ち落とすと、それがもらえる。ここのホモ達にとっては絶好のパンチラ施設商品を打ち落とすのはなかなか難しく、熱中してお金を使いすぎないように気をつけないといけない、とSHさん談。 風力発電機 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 e/s加速度上昇・中 折れたプロペラ×1万能ネジ×1エーテル合金×1 Lv.2 防御力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 e/s加速度上昇・大 エーテル合金×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇・微 エーテル合金×7+傑作万能ネジ×5+傑作 万が一学校が停電した時の為に作った風力発電機。これで電気については一安心らしい。YMDが学校の地下で発電してる説真っ暗なのが怖いわけではないとRNさんが言っている。RNさんを煽るメスガキHSZKさんは必見。 井戸 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇・中 苔むした瓦強化木材×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 攻撃力上昇・大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 たんぼと一緒に配置するとたんぼの生産能力を上げられる。 KRRの丸くて穴の空いたもののお願いで作った施設。水を汲むための施設。古びた石でできていて、怪談に出てきそうな雰囲気だから肝試しには持ってこいとKRR談。怖がるRNさんとメスガキHSZKさんのイベントは良いぞ。なお、最近の井戸は石や木で作られていないし、管から水を汲み上げるポンプ式になっている。 たんぼ 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 稲作稲を育てて、輝く稲穂を収穫可能 輝く稲穂×1魔力の水丈夫な布×1 Lv.2 回復量上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 回復時回復・微 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 回復量上昇・上 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 お米をいっぱい食べる為に作ったたんぼ。烏よけの案山子が立っている。YUKすき 案山子のかわりにYUKを縛り付けて立たせたKKRもこれがあれば山盛りのご飯をいっぱい食べられて、お米のことを思えば稲作も頑張れると言っている。この大きさじゃ足りなさそう。 動物の乗り物 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・小 何かのハンドル×1エーテル合金×1 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 ドロップ率上昇・中 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 コインを入れて動かす動物の乗り物。パンダとクマ?だろうか。MO姉は昔、遊園地に行った時にHORが気に入っていたのを覚えている。また一緒に行きたいとも言っている。HORは乗り物の代わりにYMDに乗って遊んでそう ブランコ 七色ペンキ消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 バックアタック強化 錆びたチェーン×1万能ネジ×1木の板×1 Lv.2 防御力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 HP上昇・微 エーテル合金×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・上 エーテル合金×7+傑作強化木材×5+傑作 公園の遊具の主役、ブランコ。座って漕いでも立って漕ぐのも楽しいけど、勢いをつけすぎると一回転するので注意とYUK談。YUKとFMOを座らせて永遠に回し続けたい 笹と短冊 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 弱点攻撃与ダメージ上昇弱点属性ダメージ時被ダメージ上昇・大 願掛けの笹×1丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 木の板×3 Lv.3 弱点攻撃与ダメージ上昇弱点属性時被ダメージ上昇・特大 木の板×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 HP上昇・小 木の板×7+傑作強化木材×5+傑作 HRHR姉妹虐待施設毎年7月7日の夜に願い事を書いた短冊を笹に吊るして星に祈る習慣のことを七夕という。織姫と彦星が1年に1度だけ出会える日。MO姉とHORも出会えました。YUKの身体にカッターで願い事を書き込んで吊るしておきたい りんご飴の屋台 縁日利用札交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→りんご飴 機織りの機械重力リンゴ×1強化繊維×1強化木材×1 Lv.2 防御力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 被ダメージ減少・小 丈夫な布×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 丈夫な布×7+傑作強化木材×5+傑作 夏祭りの美味しいものの定番。カリッとした食感とリンゴの柔らかい食感が楽しい。YUKは赤くてツヤツヤした見た目も可愛いし、いつか浴衣を着て食べ歩きしたいと言っている。YUKすき 野獣リンゴ飴を食べさせた 商店街のゲート 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 インファイト攻撃上昇・中 派手な看板×1乾かない手ぬぐい×1エーテル合金×1強化石材×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 インファイト攻撃上昇・大 エーテル合金×電気回路5+佳作×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・微 エーテル合金×7+傑作電気回路×5+傑作 残念ながら校門や水上線路の前に置くことはできない。 「ようこそ!星の宮商店街へ」と書かれた商店街のゲート。ハートの形の風船がくっついている。SHの記憶から作られたということは、SHは星の宮に住んでいたのだろうか。SHは家が商店街にあったので、これを見ると懐かしい気持ちになるらしい。商店街の左右の柱にYUKとFMOを括り付けたい 同人即売会ブース 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカル率上昇・中 誰かの同人誌×1止まった懐中時計エーテル合金×1七色ペンキ×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 クリティカル率上昇・大 エーテル合金×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 エーテル合金×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 同人誌を売るスペース。RNさんが描いた絵を見てもらえる場所の用意のために作った。おう、Y虐絵やF虐絵も描くんだよ。あくしろよRNさんもいつかは本物のイベントに参加してみたいらしい。 星と月のベッド 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 天気を晴れor曇りor雨に変えられる 星の飾り物×1ベッドの部品万能ネジ×1電気回路×1 Lv.2 経験値上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・微 木の板×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・小 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 やはり自販機部屋の前に設置することで野外プレイの見せつけが可能。 星と月の飾りをぶら下げたベッド。布団には星座がデザインされている。やっぱりHSZKさんが他のレズ達を連れ込んでイロイロする場所MO姉は星や月の飾りを見ていると不思議と心が穏やかになって眠れてしまうと言っている。睡眠薬の成分が入っているのかもしれない。YUKすき 天井にぶら下げたYUKを見ながら寝たい ひまわりの花壇 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 エーテル回復速度初期値上昇加速量低下・大 光る種×1強化石材×1 Lv.2 与ダメージ上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 エーテル回復速度初期値上昇加速量低下・特大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 震動属性攻撃上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 ひまわりを植えた花壇。HRHR姉妹が住んでいた街の近くに大きなひまわり畑があったらしい。UTとHRHR姉妹もここで出会っている。HORも夏の景色にはこれがなきゃ!と言っている。YUKとFMOとYMDを植えておきたい 金魚すくいの屋台 コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカルダメージ上昇・大 空っぽの金魚鉢×1機織りの機械×1強化繊維×1電気回路×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 クリティカルダメージ上昇・特大 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 お祭りで良くある金魚すくいの屋台。”ぽい"を使って金魚を掬って、掬ったものは持ち帰ることができる。食料として持ち帰る人も屋台には「なつの思い出」と書かれている。HORはここでなら掬い放題だから、沢山練習してMO姉をびっくりさせたいらしい。 大きなぬいぐるみ 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力上昇エーテル回復速度初期値減少・大 不気味な人形×1強化繊維×1固形燃料×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 クリティカルダメージ上昇・微 丈夫な布×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇エーテル回復速度初期値減少・特大 丈夫な布×7+傑作強化繊維×5+傑作 とても大きく、もふもふなクマののぬいぐるみ。右手に抱えているのは鮭のぬいぐるみか。UTはこれを見つめていると、昔大切にしていたクマのぬいぐるみを思い出して、ずっと抱きついていたくなるらしい。クマのぬいぐるみに抱きついているレズ達ら可愛いから、みんなも見よう! 野外ミニシアター 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力上昇攻撃力低下・大 真っ白い布×1レアレンズ×1電気回路×1強化木材×1 Lv.2 回復時回復・微 丈夫な布×3 Lv.3 防御力上昇攻撃力低下・特大 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 回復量上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 映画を見られる設備。図書室には本だけでなく、映画のディスクメディアもあったらしい。淫夢本編とか…いらっしゃらないんですか?KKRはここで映画フェスをやるのも悪くないと言っている。ネクナン様の聖痕の軌跡の映画もあるわよ〜 グランドピアノ 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 防御力上昇HP低下・大 ピアノ線×1純白の灰×1強化木材×1強化繊維×1 Lv.2 インファイト攻撃上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 攻撃力 防御力上昇HP低下・特大 エーテル合金×5+佳作強化木材×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 エーテル合金×7+傑作強化木材×5+傑作 学校に置いてあるピアノ。透き通った音を奏でる。UTはその透き通った音は自分のような人間の心も動かしてくれる。他のみんなの心にも同じように響いているのか考えているようだ。FMOを天板と響板で挟んで、ピアノを弾く振動で悲鳴を奏でたい 動物の乗り物(魔改造) 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・微 木の板×2 Lv.2 攻撃力上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 ドロップ率上昇・小 丈夫な布×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 与ダメージ上昇・微 丈夫な布×7+傑作電気回路×5+傑作 サイズL シンボルツリー 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 e/s加速度上昇・小 神秘の苗木×1丈夫な布×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・微 木の板×7+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 e/s加速度上昇・中 木の板×7+傑作強化繊維×5+傑作 大きな木。本来は植えてから何十年もかかって大きく育つのだが、想いの力ですぐにほんへに出てくる大きさに育ったらしい。想いの力ってすげー!甘い果実が実るそうなので、KKRはたまに登って食べているらしい。シンボルツリーに寄りかかっているキャラにHSZKさんが近づくと手を振ってくれる。援交の待ち合わせみたい カフェスペース 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→コーヒー コーヒー×1木の板×1丈夫な布×1 Lv.2 HP上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 丈夫な布×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 防御力上昇・微 丈夫な布×7+傑作万能ネジ×5+傑作 SHさんが喫茶店で働いていた思い出から作られた施設。テラス席なので、設定しているココロトープの背景を選べば映えること間違いなし。SHさんは淹れたコーヒーをここでみんなに振る舞うのが楽しみらしい。ラタンの娘はザーメンコーヒー出してきそう。 駅のホーム 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 e/s加速度上昇防御力低下・大 穴のあいた切符×1木の板×1丈夫な布×1石ブロック×1 Lv.2 HP上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 攻撃力 e/s加速度上昇防御力低下・特大 石ブロック×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 歪曲属性攻撃力上昇・微 石ブロック×7+傑作強化石材×5+傑作 学校に駅を作りたいとSHさんのお願いで作った施設。さすがに電車は来ない。周りが海に囲まれていて背景も綺麗なので、これも映える施設。どことなく下灘駅をイメージする。看板には「星の宮」「きづき」「ひのもり」の名称も。SHさんはベンチに座って風に当たっていると旅をしているような気分になれると言っている。 テント 施設効果ON/OFF切り替え 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 防御力 状態異常耐性上昇e/s加速度低下・大 防水塗料×1エーテル合金×1丈夫な布×1 Lv.2 インファイト防御上昇・微 丈夫な布×3 Lv.3 回復量上昇・微 丈夫な布×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 防御力 状態異常耐性上昇e/s加速度低下・特大 丈夫な布×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 ごく普通のテント。大きさは1人だと大の字になって寝ることができるぐらい広いが、2人だとくっつかないと狭さを感じるぐらい。教室からランタンを持ってきて、静かに読書するのもいいかも、とRNさん談。HSZKさんが四六時中レズ達を連れ込んでるので、静かな時間は無いと思うんですけど…テントは割と声が漏れるので、気をつけようね! お社 コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 ドロップ率上昇・大 木簡×1プロ向けカメラ×1強化木材×1七色ペンキ×1 Lv.2 攻撃力上昇・微 木の板×3 Lv.3 ドロップ率上昇・特大 木の板×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 攻撃力上昇・小 木の板×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 神を祀る施設。知識や技術も無いKRR達が作った形だけのものだが、信じ続ければ本物にも引けを取らないご利益が生まれるかもしれない、とKRRが言っている。Y虐兄貴にバチが当たりそう コンテナ コイン交換 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 交換→暖かい砂粒 でこぼこの鉄板×1よく燃える水×1強化木材×1万能ネジ×1 Lv.2 クリティカル率上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 与ダメージ上昇・微 固形燃料×5+佳作万能ネジ×3+佳作 Lv.4 被ダメージ減少・微 固形燃料×7+傑作万能ネジ×5+傑作 港とかに置かれているコンテナ。物置として作ってみたけど、熱が篭りやすいから食料品は置けないとHNKが言っている。YUKを閉じ込めておくしか使い道が無いじゃん石とか木材とかのかさばるものを保管するようだ。 キャンプセット コイン消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 攻撃力 クリティカル率上昇・中 クーラーボックス×1年代物の皿×1強化繊維×1強化木材×1 Lv.2 被ダメージ減少・微 固形燃料×3 Lv.3 攻撃力 クリティカル率上昇・大 固形燃料×5+佳作強化繊維×3+佳作 Lv.4 インファイト防御上昇・微 固形燃料×7+傑作強化繊維×5+傑作 折りたたみの机や椅子、マットにクーラーボックス、手さげカゴに食器が見られる。HORはカレーを食べたり、夜に星を眺めたり、やりたいことが無限にあって、見ているだけでワクワクするらしい。 ロケット 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 クリティカル上昇・大 宇宙の絵本×1超栄養レーション×1エーテル合金×1固形燃料×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 固形燃料×3 Lv.3 攻撃力上昇・微 固形燃料×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 固形燃料×7+傑作電気回路×5+傑作 宇宙船。なんと有人飛行可能らしい。YUKすき ロケットに閉じ込めて宇宙まで飛ばしたMO姉曰く、実際に宇宙まで飛ぶかはわからないけど、こんなモノまで作れてしまう想いの力ってすごい…すごくない?との事。 縁側のある部屋 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 被ダメージ減少・中 懐かしの風鈴×1鮮やかな着物×1強化石材×1強化繊維×1 Lv.2 ドロップ率上昇・微 ガラス板×3 Lv.3 被ダメージ減少・大 ガラス板×5+佳作強化石材×3+佳作 Lv.4 経験値上昇・微 ガラス板×7+傑作強化石材×5+傑作 アニメとかで時々出てくる縁側のある畳部屋。風鈴が飾られている。YUKは、ここでだらーっと寝転んで、扇風機に当たりながらうたた寝するのが最高らしい。扇風機に向かって「ア゛ーーー」ってしてそう。YUKすき 回転してる扇風機の刃にYUKの手を突っ込んだ 野外コンサート会場 プレミアムチケット消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 戦闘不能回避(1回のみ) スピーカー×1折れた日傘×1電気回路×1エーテル合金×1 Lv.2 クリティカルダメージ上昇・微 エーテル合金×3 Lv.3 クリティカル率上昇・微 エーテル合金×5+佳作電気回路×3+佳作 Lv.4 クリティカルダメージ上昇・小 エーテル合金×7+傑作電気回路×5+傑作 野外フェスティバルの会場。客席やスタンドマイク、スピーカーや星とハートの飾りなどが見られる。リフレクターの衣装はアイドル衣装っぽいので、結構良い感じに映える。UTは実際にフェスティバルには行ったことはないが、いつか本物のコンサートにみんなと行ってみたいと言っている。 その他(特殊) プール風呂 ふわふわバスタオル消費 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 HP上昇・大 温泉水×5湯沸かし器×1先頭の壁画×1 Lv.2 経験値上昇・微 石ブロック×3 Lv.3 HP上昇・特大 石ブロック×5+佳作七色ペンキ×3+佳作 Lv.4 斬撃属性攻撃上昇・微 石ブロック×7+傑作七色ペンキ×5+傑作 HNKとKRRの提案により作成された、プールの水をお風呂にした施設。レズ達がこぞって浸かるお風呂。あぁ^〜良い匂いしそう、する。飲みたい。立てかけてある看板は、HNKが前作でデートしていた場所の風景が描かれている。お風呂好きなHNKとしては、いつまでも浸かっていたいとの事。YUKを熱々にしたプール風呂に放り込んで全身火傷させたい ナイトプール 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 Lv.3 +佳作+佳作 Lv.4 +傑作+傑作 DLC限定設備。フラグメントも手にハイルハイル 気球 施設レベル 設置効果 必要素材量 Lv.1 Lv.2 Lv.3 +佳作+佳作 Lv.4 +傑作+傑作 DLC限定設備。 設置場所は桟橋固定で、他の施設と重複しない。 RNさん発案の施設なのでぜひ乗せてあげよう
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武装神姫のリン 第7話 「ティアVSジャンヌ」 私の名前はティア。愛するご主人様の所有物。 武装神姫ですわ。 で今日はアーンヴァルの基本パーツの1つ。 大口径ブースターの出力を強化した先行試作モデルをいただいたので、その調整と試運転を兼ねて近所の公園で飛行中です。 そのためにご主人様が見ていないうちに辺りのカラスや鳩をレーザーライフルで追い払ったのでいま空に私をさえぎるモノは存在しません。 なんて空を飛ぶのは気持ちよいのでしょうか?? お姉さまにも体感させてあげたいくらいです。 おや、あそこに見えるのは豪華なドレス。 しかしそれを身にまとうのは"ぽっちゃり"と言うのさえも、お世辞にならないくらいに丸々太った体躯。 全くもって美しくありませんわ。 私の瞳はあののような"物体"を映すために存在しているわけではありません。 早めに私の視界から消えていただくことを望みます。 よって威嚇射撃敢行、もちろん直接当てるわけではありませんので問題になることは無いでしょう。 そうして私はレーザーライフルをあの物体の足元に照準を合わせ、出力30%で発射。 いきなりアスファルトが光ったことでアレは逃げ出すはずでしたが、 いきなり黒い服を着たSPらしい人が集まってきました。 どうやら暗殺かなにかと勘違いしたらしいです。 私は面白くなかったのでご主人様の元へ帰ります。 そのときは気付きませんでした。アレがあんな人物だとは…… 俺はリンを定期健診に預けて今日はティアと2人で公園へ、というのもあのリンのレッグパーツのシリンダーを手がけた友人の会社の改良ブースターの先行試作販売型(ライセンスはもちろん取得済み)の試運転に連れてきている。 今日は4月5日。絶好のピクニック日和だ。 もちろん空を飛ぶにもとてもいい天気。 なのだが、ティアのヤツがちょっと目を離した隙に高く飛んで行ってしまった。 で探しているとなぜかレーザーライフルを抱えているのが気になったけども、無事に戻ってきた。 それまでは良かったのだけど…その数秒後俺たちは黒ずくめの男達に囲まれていた。 「あなたですのね!この私、鶴畑3兄妹の1人。和美に銃を向けた愚かな神姫のマスターは?」 後から現れたドレスを着たというより着られている感じのピz…もとい少女が声を発する。 「は???」 俺はわけがわからないので反応が出来ない 「ですから私にレーザーライフルを向けただけでなく、発射したのですよ。」 「……マジ?」 俺はティアに確認する。 「?? 私は見るに耐えない不快な物体に視界からはやく消えて欲しかったから威嚇を行っただけですのよ」 おい…ティア。それが原因なんだよと言う間もなく、俺は意識を失っていた。 俺が目を覚ますとそこは近所のセンターと思われる建物の個室、大会で使用される選手控え室だろう。 しかも俺は手首足首をベルトでイスに縛られている。全く身動きが出来ない。 辛うじて動く首を真横に動かす。左右にはあの黒ずくめの男が立っている。 しかもその手には拳銃が握られている……俺、もうだめなのカナ? カナ? 突然扉が開くとそこにあの少女がいた。その側近らしき男の手に握られるのは鳥かご。 その中にティアがいた、しかもうつぶせに倒れている。 まさか電気ショックでも食らって再起不能なんてことは…やばいのは俺も同じか… 俺の脳裏に最悪の結果が再生される。 「俺たちを処分しようってか・・・・・」 がそれに反した答えが帰ってきた。 「ここで今からバトルを行います。 感謝しなさいな、普通私に銃を向けた神姫ごとき解体処分が当然なのですが……私は慈悲深いのですよ。」 「??」 俺もティアも首をかしげる。 「そこでです、私にショーを見せてくださいますか?」 「ショー?」 「そうです、貴方の神姫に私の神姫『ジャンヌ』そしてその手足となる部隊の神姫たちと戦っていただきます。」 「なっ、1対多数だと!!」 「そうです、そこであなたの神姫がズタボロにやられる瞬間をその目に焼き付けていただきます。今回はそれで許して差し上げますわ」 「……そこのメス豚。こっちを向きなさいな」 突然ティアが起き上がってあの少女を又しても挑発を、いや明らかに侮蔑をこめてそう呼んでいる。 「な、なんですって今すぐスクラップにしてあげましょうか?」 「そのショーの主演、受けて差し上げますわ」 「あら、思ったより素直ですのね。よろしい。まあ貴女の声を聞くのはコレが最後になるでしょうけど」 「ただし、条件が1つ。 私が勝者になれれば私とご主人様を開放し、拘束した賠償金をいただきますわよ」 「……いいでしょう、いちおう聞いてあげます、いくら欲しいのかしら?」 「100万。」 「………わかりました、たとえどれほどの額を要求されてもそれが手に入ることは100%ありませんから。」 「で、相手は何体ですの?」 「そうですね、13体でしょうか?多少増減すると思いますが」 「わかりましたわ、ご主人様を離してくださいますこと? セッティングはご主人様にしか許してないのですけど」 「ではショーの開始は15分後ということで、せいぜい生き残るすべを考えてなさいな」 そうして彼女は部屋を後にする、そして側近によりティアの入れられた鳥かごとパーツ(いつも大会に持っていくバッグにはいっているのでこの場合はバッグと呼んだほうが良いのか?) が拘束を一時的にとかれた俺に渡される。 そうして俺はティアにありったけの装備をつけ、さながら重爆撃機のようなシルエットになったティアに全てを託した。 俺はフィールドが良く見える台の上にイスごと括りつけられフィールドを見下ろすことしか出来ない。 そしてティアと敵の神姫がステージに上がる。 普段は神姫が2体しか存在し得ないフィールドに今は神姫が14体存在している、しかも最初からティアを13体の神姫が取り囲んでいる、面子は今まで発売されたモデル全て。 それにまだ未発売の騎士型の「ジャンヌ」が加わっている。 そしてショーと言う名の公開処刑が始まった。 しかし、そのとき俺はこの公開処刑を影から見つめる1人の少女のがいることに全く気がつかなかった。 アーンヴァル部隊のレーザーライフルによる4方向からの一斉射撃。 改良ブースターの力でギリギリそれを回避するティアに次はマオチャオとストラーフが2対ずつ襲い掛かった。 各々接近戦用の武装である爪やクローでティアを護る追加装甲版を次々とえぐっていく。 がティアはブースターを100%の出力で開放。敵の神姫ごと思い切り壁にぶつかる。 そうしてティアと壁の間に挟まれた2体が沈黙した。 一方のジャンヌはというと、動くはずが無い。 アレは部隊指揮をつかさどるのだろう。 もしくは軍の大将にでもなった気分でいるのか、手にした剣を地面に突き立て事態を静観している。 壁にぶつかったティアが動き出すより早くハウリン部隊とアーンヴァル部隊の砲撃が次々とティアの装備を破壊していった。 そうして巨大MAを模して構成したパーツは全て破壊されたかに見えた。 だがティアはあきらめていなかった。 破壊された翼を壁にして砲撃を防ぎ、あとは残った火器を全て自動砲撃設定で動き回る。 自動砲撃設定はティアが以前から持っていた能力だ。 レーザーライフルがランダムに最大出力のレーザーを乱射する。ライフルが焼き切れるまでの間になんとか3体のハウリンを葬った。 役目を果たしたライフルを捨て、そのままマシンガンやバルカンで弾幕を張りつつティアは必死に逃げる。 だが奮戦も束の間、ティアは持てる全ての外部装甲および銃火器を破壊されたのだろう、アーンヴァルの砲撃が止んだのだ。 しかし煙が晴れた場所、ソコには背後にあったビルの残骸と、それにのしかかられるようになったパーツの山があったがティアの姿は見えない。 その時点で正常稼動している神姫は8体。 砲戦主体のアーンヴァル3体にマオチャオ2、ストラーフ2。 そしてジャンヌという内訳だ。 ティアの姿が確認できていないというのにジャンヌは眉ひとつ動かさない。 そして本体のみの姿となったであろうティアを残りの神姫に探させる。 が一向に見つからない。さすがに和美は我慢ならなかったのか声を張り上げる。 「ジャンヌ! 貴方の技でその残骸を吹き飛ばしてしまいなさい」 「…了解」 そうしてやっとジャンヌが動き出す。そして残骸の目前まで来ると手に持った剣を構え、一気に振り下ろす。 衝撃波が生まれ、残骸を一気に吹き飛ばす。 がソコにはティアの姿はなく、 「フ……ドコを見てらっしゃるのかしら?」 ドコからとも無くティアの声が会場に響く。 そしてその声の出所をジャンヌが割り出す前に仲間であったはずのマオチャオが突進してきた。 「ぐぅ…なぜ」 ジャンヌがまだそのダメージから復帰しないうちにティアが姿を現す。 その手には3つ又の鞭。 「やっと出したか」 あの鞭は普段リンやティアが愛用している対"G"武装の1つで、あのとても俊敏で変幻自在の動きをする"G"を確実に捉え、粉砕する。 そしてティアの鞭さばきはリンのそれを超えていた、あれなら神姫相手でも十分に通用しそうだと踏んだ俺はアレに賭けたのだ。 元々、ティアの戦闘スタイルはあのようなゴテゴテ装備での乱戦ではなく、リンと闘った時の様な本体の身体能力(あのときは違法レベルだったが)とさまざまな武装によってわずかな敵の隙を突くスタイルだ。 そのために俺は敵の頭数を減らすためにあんな超重装備でティアを送り出したのだ。 先ほどのマオチャオの突撃は鞭を脚に巻きつかせ、反応されるより早くジャンヌに向けて投げ飛ばしたのだろう。 特別製のジャンヌは無事でもマオチャオの装甲は通常のモノ、あの衝撃には耐えられない。 そうしてやっと敵の数が半分になった所でティアの本当の力が発揮される。 ティアが今頼りに出来るのはあの鞭、そして左右の腰に備え付けられたライトセイバー2本、そして左腕にあるシールド1つ。 それでもティアはザコの神姫を次々と葬っていく。 ジャンヌがダメージを受けてからそいつらの動きが鈍くなっている。ソレを見ればいくら俺でもどういうことかは想像が付く。 ジャンヌ以外の神姫はジャンヌの命令によって動く人形だ。そして今のジャンヌは先ほどのダメージによってその命令を送る回路に不具合が発生したのだろう。 それならティアがやることは1つ。 ジャンヌに攻撃を加えればいいのだが………ティアさん??? 貴女は何を?? ティアはひたすらに鈍くなった(とは言えサードリーグなら3回戦には進出できるぐらいのレベルだと思う)神姫を1対ずつ破壊していく。 「ウフフ…こうやって鞭で敵の神姫を倒すのって、カ・イ・カ・ン☆」 どうやらも俺が何を言っても無駄らしいです、勝てるなら早くやっちゃってくださいティアさん(泣) そうして鞭1本でザコ神姫を全て粉砕して、ティアがジャンヌと対峙する。 「あんなオモチャで私の相手が務まるとお思いでしたの?」 そうして勝ち誇るように和美に向かって言う。 もちろんあちらさんの怒りはピークに達していたのだろう。 「ジャンヌ! モードを軍神から騎士に変更。そいつをバラバラにして差し上げなさい!」 「了解」 ジャンヌの雰囲気が変わる、側近の男がコンテナらしきものをフィールドに投げ入れ、ソコから強化装甲、そしてとても長大なランスが出現した。 ソレを空中で受け取り、瞬時に装着するジャンヌ。 本気だと悟ったティアは気を引き締める。 敵はランスを構えて一直線に突っ込んでくる。ティアはソレをかわすが、ランスはすぐに方向を変えて追ってくる。 あの重量の武器を受け止めることは叶わないと悟ったティアは1度距離をとろうとするがソレを許す相手ではない。 なんとかシールドでランスをそらす。だがシールドにはそのたびにヒビが走る。 そうして5度目の攻撃をそらしたときシ-ルドが瓦解。 しかしティアは逃げない。敵の懐に入り込む。 「戦闘経験が少ないのかしら、大振りすぎでしてよ」 そのまま敵にタックルを食らわせる。 敵がランスを手放したのでライトセイバーでソレを切断。 次に本体を、と思ったがそれは敵の剣に防がれる。 さすがに騎士型というわけか、剣技はティアのそれを上回る。 剣1本に対してライトセイバー2本でもティアは押され気味だ。 「騎士をなめるな!」 そうして一閃で両手のライトセイバーを弾かれた。 「すぐに終わらせてやる」 もうティアに後は無いと思われた。 「終わるのは貴女のほうでしてよ」 ティアがジャンヌに飛び掛かる。 「そんなに頭を割って欲しいか!」 ジャンヌの剣がティアの頭部をヘッドギアごと切断せんと迫る。 俺は叫びたかった、でもソレが出来なかった。そうしてティアの頭に剣が触れる 「…だから、大振りはだめだと言ったでしょうに」 その直前に ティアの手首から伸びた糸がジャンヌの両腕を切断していた。 そのままティアはジャンヌの身体を押し倒してマウントポジションを取る。 そして剣を取り上げて突きつける。 「チェックメイト。ですわね」 そうして和美に同意を求める。 「キーーーーー、お好きにしなさい! 小山、ジャンヌを回収、あとは放って置きなさい。 あの小切手は男の足元に、帰りますわよ!」 彼女はとても腹を立てた様子でバタバタと足音を立てて帰っていった。 って、小切手はいいから俺の猿轡をほどいて欲し、って何で首筋に手刀が…そのまま俺の意識は遠くなっていった。 「ずいぶんみっともない格好」 不意に懐かしい声が聞こえた。 「ふぁふぇ(誰)?」 猿ぐつわを解かれ、仰向けになった俺の瞳に写るのは……水玉パンツ 「水た……ぐふェェ」 声の主に思い切り踏みつけられたらしい。 「たとえ見えていても、それを口にするのはダメ」 「わかった、だから足をどけろ」 「…どうしようかな~」 そこにティアがやっとの思いでフィールドからこの展望席までやって来た、そして俺を見て一言。 「ご主人様は極上のMですのね」 ち、ちが。 だから何でそこで踏みつけた足をぐりぐりしますかな、コイツは。 「あ~~分かりました、茉莉様、足をどけてくださいまし」 そうしてやっと水玉パンツ…いや声の主、 『篠崎 茉莉』は足をどけてくれた。 とりあえず紹介しておこう。 彼女の名前は篠崎 茉莉 いちおう幼なじみになるのだろうか? 年は五つも離れているのだが小さい頃は近くの家には同年代の子がいなくて、いつも俺が遊び相手だった。 そのためか今では俺よりロボットなどに詳しく、神姫を買う最後の一押しをしたのは茉莉だ。 小さいころは俺をお兄ちゃんと呼んでくるたかわいいヤツだった。 ただ、小学時代に重い病気になり(俺は妹のようにかわいがっていたからほぼ毎日見舞いに通った)結果一年遅れで進学した。 よって通例なら今大学一年のはずだ。 しかし幼少時代の仲のよさ故か、厄介なことに両親同士で勝手に婚約が交わされていた。 俺がそれを知ったのは大学二年のとき。 確かに容姿は見栄えする方だし、スタイルも悪くない。 しかも基本的に俺を慕ってくれているがまだ俺には決心がつかない状態だった。 俺がなぜこの町にいるのか? と聞くと 「私、亮輔ん家に居候させてもらうことになったから、ヨロシク」 と、当然のように答えたので俺は思考は停止した。 「詳しくは家に帰ってから。ね?」 そうして茉莉は俺の腕を抱き寄せ、そのふくよかな膨らみを当ててきやがった。 「ご主人様、私たちというものがありながら、浮気だなんて(ニヤリ)」 周りの人からは「あんな見せ物になっていたうえに今度は痴話げんか、全く最近の若者は…」なんて視線が突き刺さる。 「だぁーーーーー、わかった、茉莉の話はレストランで聞く。それとティア、今日の騒動はお前が原因だ。だから予定していた買い物はお預け!」 「そんなぁ、100万も儲けましたのに、何故ですの?」 「何でも!! とにかくリンを引き取って、茉莉の話を聞いてからだ」 「じゃあ決まり、早く行こうよ」 そうして俺を引っ張っていく茉莉。 「ああん、ご主人様あぁ置いていかないでぇ~~」 出遅れたと思ったらしいティアが慌てて追いかけてきてジャンプ。 そのまま俺のかばんに潜り込んだ。 そうやって俺の人生で一番にぎやかで、心身ともに擦り切らせることになるであろう1年間が始まる。 ちなみにリンが俺に寄り添う茉莉を見た瞬間に目に涙を浮かべ、次の瞬間俺に鋭いビンタを食らわせたのもほんの序章にすぎないのだ。 ~燐の8 「ホビーショップへ行こう!」~
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2nd RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~1/4』 「隠してたわけじゃないんだけど、その…………ね?」 「ね?」 と言われても、俺には何のことだか皆目見当がつかない。 キィキィと軋むオフィスチェアの上で体育座りをした姫乃は、苦笑いのような、バツの悪そうな、形容し難い顔を俺の目から背けた。 服装は昨日と似たり寄ったりの、というか年間を通してカッターシャツにロングスカート(夏は半袖、冬は野暮ったいダッフルコートを追加装備。 日ごとに色が変わるだけ)、肩甲骨のあたりまで伸ばした髪は後ろで一つにまとめ、細身のシルエットによく似合っている。 姫乃がこの狭く汚くボロく散らかった六畳一間 (フロ・トイレ別!) にいてくれるだけで空気が綺麗になったように思う。 いや、事実姫乃がいると、玄関からベランダの窓際まで幸せな香りで満たされる。 小説やドラマでよく見かける 「風に運ばれてくる彼女のいい香り」 とはこのことだったのか。 付き合い始める前から度々、講義と部活を終えた後はこうして俺の部屋を訪ねてきてくれるわけだが、未だこの幸香(造語)に飽きることはない。 それとも、慣れることはない、とでも言おうか。 人間、己が身に過ぎた幸せを恐れるものである。 手を伸ばせば触れられる所に姫乃がいることが、怖いのである。 だってそうだろう? 晴れて大学生となって一人暮らしを始めて、借りたボロアパートの隣室に俺と同じ新入生の女の子が越してきて、しかもその子は可愛さと美しさを足して二を掛けたような容姿で、さらに目が眩むほどの笑顔で俺に微笑んでくれて、そんな子が友人になってくれて、今は俺の部屋で体育座りをしてくれているなんて、今この瞬間も 「これは究極の悪夢じゃなかろうか」 と自分の正気を疑ってしまうほどだ。 ――幸福が過ぎる夢は、目覚めてしまえば重荷にしかならないのだから。 「そうか。 ならば私がその重荷を降ろしてやろう」 いつの間にか俺の肩によじ登っていた姫乃の神姫 『ニーキ』 はそう言うや俺の頬を抓った。 いや、神姫の手のサイズだと、抓るというよりは、 「痛い痛い痛い痛い痛い痛いっての!! お前のサイズでほっぺつねりやるとなあ、蟹に挟まれるみたいに痛いんだぞ!!」 「ニ、ニーキ駄目! どうしたのよいきなり弧域くん攻げ……あああああほら内出血してる!」 椅子から転げ落ちそうになるくらい慌てふためく姫乃とは対照的に、ニーキはあくまでクール(?)に 「そんなもの唾でも付けておけば――ヒメ、君の唾である必要はないんだぞ」 と言い放った。 くそ、もう少しだったのに余計なセリフを吐きやがる。 というかハナコといいニーキといい、神姫ってやっぱり読心機能ついてないか? 「いくらコアセットアップチップが高性能だからって、人の心が読めるわけないだろう。 それと弧域、君はヒメに舐められたいのか?」 「ばっちり読んでるじゃねぇか!!」 姫乃の神姫だから持ち主に似て可愛らしいものだとばかり思っていたのだが、よくよく考えると “神姫は持ち主に似ない” ことは貞方とハナコが一片の矛盾も無く証明していた。 「しかし、どんな男かと思えばこんな奴だったとはな。 ヒメが毎日のようにこ――」 「あー! わー! もうニーキ、少し大人しくしてて!」 姫乃に掴み上げられ、パソコンを常備している机の上に降ろされたニーキは言いつけ通り、澄まし顔で大人しくなった。 黙ってさえいれば、悪魔型神姫・ニーキは武装がなくとも神姫としての魅力に溢れている。 空色の髪をツインテールにして、身体は黒を基調とした悪魔色が鈍く光る。 引き締まった顔に尖った耳がよく似合い、バトルの時は氷のような眼差しと凄惨な微笑みが鉄槌を下すのだろう。 フィールドに立つ、ただそれだけでストラーフ型はオーディエンスへのパフォーマンスとなる。 ……それを姫乃が分かっているかは別の話だが。 「なあ姫乃。 なんで神姫を買おうと思ったんだ?」 「それはもう可愛いもの。 すんごく可愛いんだもの。 工大駅前のヨドマルカメラで電球探してたら、おもちゃコーナーの前でストラーフ型神姫がこう、手を振ってくれてね、一目惚れしちゃったの」 貯金はだいぶ減っちゃったけどね、にはは。 と苦笑いする姫乃に、ニーキを買ったことを後悔する素振りはまったく無い。 「ヨドマルなら神姫に呼び込みさせたりもするだろうな。 ――誰かに誘われて買ったり、じゃなくて?」 「ん? 私の周りはホイホイさんばっかりよ。 神姫持ってるのは鉄ちゃんくらいかな」 「ふうん、そうかそうか。 うん、そうだよなあ」 「?」 ツマラナイことで頭を抱える必要など無かったのだ。 姫乃が浮気? 無い無い無い無い断じて無い。 先程までの杞憂は、そう、ちょっと貞方に遅れを取った焦りから生まれたものだったのだ。 ……と強がってみても、心配など皆無、と言えば嘘になる。 一ノ傘姫乃の魅力があれば男なんて選び放題好き放題だろうに、何故俺なんかを選んだのか、姫乃が隣にいる時はそんな不快な考えばかりが頭を過ぎってしまう。 たかが人形一体で勘繰ってしまうほどに。 姫乃の裏の顔を想像してしまうほどに。 「どうしたの弧域くん。 顔が怖くなってるよ?」 そんな俺の一人相撲を知ってか知らずか、姫乃はまた椅子の上に戻って体育座りしている。 裏の顔、ね。 そんなものがあっても俺はすべてを受け入れる、なんて歯の浮くような台詞を吐くつもりはないけれど、ドス黒い姫乃というのも、それはそれで悪くない。 「しかし姫乃も神姫マスターだったとはね。 俺も買おうかなあ。 んでもってニーキと勝負してみたりさ、楽しそうだぜ」 「え? ……あ、うん、そう……かな」 姫乃の顔が再び、なんとも形容し難いものに戻った。 さっきからどうも様子がおかしい。 分かり易過ぎるほど神姫の話題を避けているようだが、その割にはヨドマルでの出会いをあっさりと白状(告白?)してみせたし、目を逸らすのは決まってどうでもよさそうな話の時ばかりだ。 思えば、俺が神姫の話をしようとした時も、興味がないフリをして話題を避けているようだった。 俺が小一時間ほど “不出来なCDほどフリスビーに向いているのは何故か” を語った時も話に乗ってくれた (というより説教された) 姫乃が、何故こんな話題に口ごもる必要がある? 思い当たるふしは……あー、カツカレーの食べ過ぎだろうか。 「カツカレーで何かが変わると思っているのか。 ヒメ、君の彼氏は馬鹿だぞ」 「心を読むな! そしてもうちょっとオブラートに包めよ!」 「否定はしないんだな」 「お前、人の揚げ足取るの大好きだろ」 「君が見下げ果てた野暮天だからヒメが困っているんだ」 「ちょ、ちょっとニーキ、あんまり――」 「たまには言葉で真っ直ぐ伝えてやるのもこの男のためだぞ、我がマスターよ」 「~~~~っ」 ニーキは言いたいことを言い終えたのか、再び元の寡黙な人形に戻った。 その隣で椅子をキイキイと揺らす姫乃は自分の膝に顔を埋めて――黒髪の間からのぞく耳を真っ赤にしていた。 「言い難い事、あるのか?」 こくり。 頭を縦に動かした。 「怒ってる、とか?」 ふるふるふる。 頭を左右に振った。 「悲しい事だとか」 ふるふるふる。 「あー、じゃあ恥ずかしい事だとか」 こくりこくり。 恥ずかしいこと? 今までの会話のどこに恥ずかしがる要素があった? ますますわけがわからない。 一人で混乱していると、くぐもった声が聞こえてきた。 「……だって、神姫なんだもの」 「うあん?」 「弧域くん、神姫――欲しい?」 「え、くれるの? でもなあ、ニーキはちょっとキツいしなあ、」 「ニーキは駄目。 そうじゃなくて、自分の神姫、買いたい?」 欲しいかと問われれば、そりゃあ欲しい。 着せ替えのように武装させてみたいし、バトルだってさせてみたいし、この隙間風が寂しい部屋に神姫がいれば少しは寒さも和らぐのかもな。 だが、物はいつか壊れる。 熱力学第二法則(第一だったか?)がある限りどんな物でも例外ではないし、神姫だってもちろんその例に漏れない。 負担が掛る可動部はメンテナンスをしていても取り替えが必要になるし、バッテリーも技術が進んだとはいえ充電を繰り返すごとに容量が減っていく。 これらはまだ取り替えが効くからいい。 だがCSCなんて、外部からの衝撃でどんな影響を受けるか分かったものではない。 ――ホイホイさんになぶり殺しにされたマオチャオがそうだったように。 未だあのマオチャオが、持ち主だった弓道部部長の泣き叫ぶ顔が、頭から離れないのだ。 ……あんな別れ方をするくらいなら、最初から神姫なんて持たないほうがいい。 「どうだろうな。 欲しいような気もするし、欲しくないような気もする」 「どっちよ。 欲しい? 欲しくない?」 「俺にもよく分からないんだ。 神姫で遊びたくもあるし、なんつーかほら、犬とか猫とか、死に別れが嫌だから飼いたくないってよく聞くだろ。 あんな感じ」 「弧域くんっていつもはハッキリしてるのに、たまにものすごく優柔不断になるよね」 何故俺は責められてるんだ? 「いいだろ別に。 ハッキリさせなきゃいけないことでもないし」 「よくない」 「いいだろ」 「よくない」 「なんで」 「だって…………よくないんだもん」 姫乃が何を言いたいのか分からないが、少なくとも二人の間うっすらと見える溝をゼネコンが本腰を入れて掘り始めたことだけは確かだった。 俺にどうしろってんだよ、ゼネコンは誰の命令を受けて着工したんだ。 国か? 国なのか? 国土交通省のせいで俺達は付き合ってから初となるケンカをしようとしているのか! 「何がよくないんだよ。 俺が神姫を買っちゃ駄目なのか?」 「駄目っ! ……じゃない、けど……」 「なら買わないほうがいいのか? そりゃあ神姫は高いからな、そう簡単には買えないけどさ」 「そうじゃなくて、そうじゃないの!」 「どっちだよ! 俺は買うべきなのか、買っちゃ駄目なのか!」 「だって! ……だって……」 「だってだって、さっきからそれば――」 言いかけて無理矢理口を噤んだのだが、もう遅かった。 さっきよりも顔を真っ赤にした姫乃が、目に涙を浮かべて俺を……敵のように、睨んでいる。 怒った顔も可愛いんだなあ、なんて考えてる暇があれば謝罪の言葉の一つでも出せばいいものを。 何が悪かったのか皆目見当もつかない俺はどう謝っていいかも分からない。 言葉が出ない。 ぐぅの音も出ない。 希望も何も出てきやしない。 ああ、こりゃもう駄目だ、嫌われたな…………短い春だったな………… 「だって…………だって…………神姫だって、女の子なのよ!!」 「……………………は?」 「神姫はずっと持ち主の側にいるのよ! 弧域くんがもし神姫買ったら、弧域くんはずーっとその神姫と一緒なのよ! わ、私がいない時も!!」 「……………………」 「そんなの! ……そんなこと………………嫌なの」 「……………………」 「ごめんね。 幻滅したよね。 私、すごく嫉妬深いんだ」 「……………………」 「嫌いに、なったよね」 「ンナワケねぇだろおおぉぉぉおおがあぁぁぁああぁぁああああ!!!!」 椅子の上で丸くなっていた姫乃を抱え、ベッドに放り投げた。 「きゃっ!?」 ああもう、悲鳴も可愛い! あっけにとられた顔も可愛い!! こんなに可愛いのに? こんなに愛くるしいのに? 頼まれても嫌いになれるものか!! 「ちょ、ちょっと、弧域くん? 落ち着こう、ね?」 「安心しろ。 俺の頭は今、一面のコバルトブルーだ」 「晴れてる! 頭が晴れてる!」 目を丸くした姫乃に覆い被さるように手をついた。 アルミ製のベッドがギシギシと今にも崩壊しそうな音を立てた。 このベッドもついにシングルからダブルに昇格する時が来たか(?)。 自分の呼吸がどんどん荒くなっていくのが、他人事のように感じる。 体が、心臓の鼓動が、自分のものでないような感覚。 だがそれでも俺は、自分を見失うわけにはいかない。 俺は今、姫乃の目やら唇やら何やらを凝視するのに忙しいのだ! 「あ、あの、私まだ心の準備といいますか、心臓がドキドキして苦しいんですけど……」 「安心しろ、俺もだ。 だがそんなもの、勢いだろう?」 「い、勢い? そ、それにね……その……」 「まだ何かあるのか。 そうだな、今の内に全部言っておくといい」 「まさかこうなるなんて思ってなかったから……」 「うん、そうだな」 「………………今日の下着、あんまり可愛くないの」 「さらば理性ィ!!」 カッターシャツのボタンを一つ一つ外すのも間怠っこしい!! 安心しろ姫乃、今直ぐ全ボタンを引きちぎって、その可愛くない下着とやらを拝んで―――― 「獣め、そんなに規制されたいか。 レールアクション『血風懺悔』」 ずっ。 そんな音が眉間の辺りから聞こえたかと思うと、勢い良く赤いものが飛び出してきた。 「うおおおおおおお!?」 なんだこれ、なにがあった、興奮しすぎて血管が切れたか!? とにかく止血しようと、ベッドに頭を押し付けた。 「きゃあああああああ!? 弧域くん大丈夫!? え~っと、え~っと、そうだ、頭より心臓を高くしないと!」 「『血風懺悔』――受けた者は血風を撒き散らしながら許しを乞うように頭を地になすりつける」 私の得意技だ。 と勝ち誇るような声が聞こえる。 腹立たしいくらいニヒルに笑っているのだろうが、今は視界一面が血で濡れたベッドカバーだ。 「ニーキ!! 弧域くんに恨みでもあるの!? 初対面でしょ!?」 「ヒメも案外野暮天なのかもな。 君達は君達が思っているよりもずっとお似合いの仲だ」 「おいコラ、マジで血が止まらねぇぞ!」 「どういうことよ」 「さっき自分で言っていただろう、 “神姫だって、女の子なのだよ”」 「こ、このやろう人様の眉間に穴空けといて無視かよ……上等じゃねぇか、この借りは神姫バトルで返してやる!!」 叫んだことで穴が広がり、ベッドのシミはさらに広がっていった。 このとき俺は、絶対に武装神姫を買ってニーキを同じ目に合わせてやることを、固く心に誓った―――― NEXT RONDO 『そうだ、神姫を買いに行こう ~2/4』 15cm程度の死闘トップへ
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第2部 「ミッドナイトブルー」 第11話 「night-11」 2ヵ月後 西暦2041年 7月21日 15:00 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 お昼の3時のチャイムが公園内に響く。 園内の噴水広場の軽食コーナー、そこでは多種多様な神姫とオーナーたちがお菓子を食べて雑談をしていた。 オーナー1「おい、知ってるか?昨日の夕方、出たらしいぜ」 オーナー2「出たって何が?」 天使型「例の都市伝説ですね」 剣士型「超音速の死神か・・・」 悪魔型「ええーーーほ、本当?」 オーナー3「ついにこの神姫センターにも、来たか」 種型「なんでも物凄い数の神姫が撃破されたらしい」 花型「ひゃーーー恐ろしい恐ろしい」 オーナー5「超音速の死神、あれって実在するのか?よくあるゴーストファイターだろ?」 雑談に花を咲かせるオーナーたち。 軽食コーナーの端でパラソルの下で老人と将棋を打っている黒い軍服を着た将校型神姫がぼつりとつぶやく。 ナターリャ「やれやれ、またなんとかの死神か」 アオイ「死神といえば、あいつを思い出しますねーナターリャ将軍」 ナターリャの将棋を観戦するアオイとツクヨミ。 ナターリャ「そいつの話はするな」 ツクヨミ「ちょっとトラウマって奴ですか?」 茶化すツクヨミ。 軽食コーナーの横の桟橋では航空母艦型のツラギが停泊し甲板を開放し中央では武装をはずして水着姿になった神姫たちがホースを掴んでキャッキャと水浴びして遊んでいる。 ツラギ「あーーあーー、最近なんか張り合いのある奴がいなくてつまんないですねーマスター」 でっぷりと太った金川がカメラを片手に水着姿の神姫を写真に収めて満足している。 金川「いやいやーこういう可愛い神姫たちのキャッキャウフフを愛でるのもいいもんだよ」 ツラギ「なにも私の甲板の上でやらなくても・・・」 金川「オマエの上だったらいろいろと遊び道具とかあるし、便利だろ!艦内にはシャワーもあるし!!」 ツラギ「そういうのに、空母型使わないでくださいよー」 パチン ナターリャ「チェックメイト・・・じゃなかった王手!」 ナターリャが将棋を心地よく打つ。 ナターリャ「うむ!将棋も悪くないな!!面白い!」 ナターリャの対戦相手でありオーナーである伊藤は満足そうなナターリャを見て微笑む。 伊藤「それはよかったですね。ナターリャー」 湖に灰色の数十隻の戦艦型神姫が着水する。 野木「やあ、みんなお久しぶり」 ラフな半そでのTシャツを着た野木が軽食コーナーに顔を出す。 金川「おおー野木ちゃんお久しぶりー」 立花「ノギッチ!キター」 衛山「おひさ」 野木「ナターリャ将軍、おひさ」 ナターリャ「うむ」 ナターリャは手をひらひらと振る。 野木「調子はどうだい?」 ナターリャ「まあまあ、かな?最近はとんと暇している」 アオイ「張り合いのある神姫がいないんだとよ」 野木「まあ、SSS級の将軍に合うようないい娘はなかなかそういないからね」 湖に着水した数十体の戦艦型神姫の灰色の巨体がまぶしく光る。 ナターリャ「灰色艦隊は、すべて復活したようだな」 野木「まあな、マキシマがバラバラになっていて完全に治すのに1ヶ月以上かかった」 マキシマがやれやれと肩をすくめる。 マキシマ「今度、やるときは指揮系統をしっかりとしてくれよ」 ナターリャ「今度か・・・」 ナターリャは遠い目をして湖を見る。 ナターリャ「そういえば、夜帝はどうしている?」 野木「夜帝か、あいつは心斎橋の神姫センターでちょくちょく見かけているって話だ」 2ヶ月前に行われた夜帝との激戦はネットにも動画が公開され、多くの話題を呼んだ。 今まで夜帝の存在はあまり公には知られておらず、都市伝説化していたが二日間にわたる連戦で、夜帝がたった1機で戦艦型神姫を9隻、航空母艦型1隻、艦載機10数機という完全武装の2個艦隊を撃滅したことは多くの神姫たちを震撼させた。 夜帝はナターリャの手によって敗れたが、帰ってその名声を轟かせたことになる。 ナターリャ「そうか・・・またあいつとチェスを、いや・・・神姫バトルをやってみたいな」 ナターリャは感慨深くそういうとパチンと将棋を打つ。 アオイ「神姫バトルって将軍は、基本他人のふんどしで戦うだけでしょwwww」 ナターリャ「・・・」 青筋を立ててナターリャはパチンと指を鳴らす。 アオイ「ちょ」 湖に停泊中の灰色艦隊がアオイに向かって砲塔を向ける。 マキシマ「艦砲射撃ッ!!撃ち方ァーー用意!!」 ヴィクトリア「アオイさんはいつも一言余計なんですよ・・・・」 ナターリャ「これが私のバトルスタイルだ。文句があるならいつもで受け付けるが?」 野木「将軍には誰も勝てないな」 ナターリャ「SSS級でも用意したまえ」 サソリ型「あのお・・・・」 おずおずと一体のサソリ型神姫がナターリャに声をかける。 サソリ型「この間から夕方の5時に超音速の死神って二つ名のSSS級ランカー神姫がこの神姫センターに現れて暴れまくっているのです・・・た、助けてください!ナターリャ将軍!」 野木「はあ?超音速の死神ってあの超音速ステルス戦闘機型MMS「クリスティ」のことかい!?」 野木は目を丸くしてサソリ型の声に耳を傾ける。 サソリ型「はあ、なんでも心斎橋の神姫センターにいたらしんですが、夜帝とテリトリーがかぶるからってこっちに流れてきて・・・ううう・・・もうすでに300機くらいの神姫が、仲間がやられているんですよ・・・」 野木はナターリャに声をかける。 野木「将軍!出番だぜ」 アオイ「おいおい、超音速の死神って・・・確か音速を超える超高速戦闘型の化け物じゃねえか!!」 ツクヨミ「うは、また化け物神姫かよ」 ツクヨミとアオイが唸る。 ナターリャ「ほほう、化け物退治というわけか」 ナターリャはすっと立ち上がり桟橋に停泊している航空母艦型MMSのツラギに声をかける。 ナターリャ「ツラギ!張り合いのある奴が出たぞ!仕留めに行くぞ!!今度は超音速の死神だ!!」 ツラギがきょとんとした顔でナターリャの顔を見る。 ツラギ「ちょ、超音速の死神!!?クリスティじゃないですか!!SSS級の化け物ォ!!」 桟橋にいた灰色艦隊の戦艦型神姫もざわめき出す。 ノザッパ「ひえええええええ!!音よりも速いあのスピード狂ですか!?」 マキシマ「へへっへ、上等じゃねえか」 ヴィクトリア「化け物神姫ですね」 そのとき、神姫センターの上空を真っ黒な槍のようなスマートなフォルムの航空神姫が空を切り裂くように飛び去った。 □超音速ステルス戦闘機型MMS 「クリスティ」 SSSクラス 二つ名「超音速の死神」 姿が見えて、数秒後にショックウェーブが軽食コーナーに巻き起こり、日傘のパラソルが衝撃波で吹き飛び、音が後から付いてくる。 ドゴゴオオオーーーン!!! ナターリャはにやりと笑う。となりにいたサソリ型が悲鳴を上げる。 サソリ型「で、出たァ!!!」 ナターリャ「ふん、あれが超音速の死神か、なるほど化け物神姫め」 アオイ「ひええええ!!お、音が後から来たぞ!」 ツラギ「レーダーに反応無し!!ステルス機だ!!」 ノザッパ「は、速い!!」 ナターリャ「ふはっはっはは!!この間のバトルはまだ続いているぞ!!あのランカー神姫は夜帝のシュヴァルに心斎橋神姫センターを追い出されてここに流れ着いたランカーだ!!俺たちが招いた因果だッ!!!!!!盛大に歓迎してやろうではないか!」 ナターリャは右手を超音速の死神に向ける。 ナターリャ「バトルロンドは戦いの旋律 終わらない戦いの旋律 さあ、私たちも旋律を奏でようではないか・・・」 西暦2041年 その世界ではロボットが日常的に存在し、さまざまな場面で活躍していた。 神姫、それは全高15センチほどのフィギュアロボットである。 :心と感情:を持ち、最も人々の近くにいる存在。 その神姫に人々は、思い思いの武器、装甲を装備させて、戦わせた。 名誉のために強さの証明のために・・・・・・・・・ 名も無き数多くの武装神姫たちの戦い 戦って戦い尽くした先には何があるのか バトルロンドは戦いの旋律 終わらない戦いの旋律 戦いの歴史は繰り返す いにしえの戦士のように 鉄と硝煙にまみれた戦場で 伊達衣装に身を包んだ神の姫たちの戦いが始まる。 第2部 「ミッドナイトブルー」 終わり
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{こんな違法改造もあり} 「よっしゃー!出来たー!!」 俺は椅子から立ち上がり試作品の完成に喜ぶ。 試作品を右手に持ち左手首につけてる腕時計を見た。 現在の時間は午前、三時。 あまりにも実験に集中しすぎて時間の事をすっかり忘れてしまった。 「ゲッ!大学のレポート、書く時間あるかな!?」 慌てて試作品を机に置き、学校に持っていく鞄を開きレポート用紙を取り出す。 ヤバイ。 何も手をつけてない状態。 これは今すぐ大学に行き学校の中でレポート書いた方がよさそうだ。 アンジェラス達に書置き残して行くかぁ。 俺はすぐさま書置きを書いて鞄を持って愛車に乗り大学に向かった。 アンジェラスの視点 「…う、ふぁ~あ、朝…ですか」 私は上半身だけお越し目を擦りながら起きる。 すぐにご主人様が寝ているベットの方に視線を送る。 ご主人様の寝顔は可愛いので何時も私が起きたら必ず先にご主人様を見る事にしています。 ですが、今日のご主人様はベットにいませんでした。 私は一階にいるのかな、と思い立ち上がり机から降りようとした。 けど、机の端っこになにやら書き置きらしい紙を見つけたので私は机を降りる前に手紙を読む事にした。 手紙の所まで行き四つんばいになって読む。 殴り書きで、汚い字で書かれていた。 『レポートの書き忘れで、すぐに学校に行きレポートをあっちで終わらせる事にした。朝飯はなにかあるもんを喰ってくれ。追伸、机にある試作品には手を出すなよ。火気厳禁!』、と書かれていた。 すべて読み終わった私はフムフムと頷いた。 ご主人様はまた夜遅くまで起きてて、実験に没頭していたに違いない。 何か一つの事に集中する事はいいのですけれど、そればっかり集中してしまって他のが疎かになってしまうのが、ご主人様の悪い所です。 「にしても、ご主人様が作った試作品っていったい何なんでしょうか?」 この手紙には試作品について詳しく書かれていなかったため、どんな物で何処に置かれているのか、さっぱり分からないのだ。 火気厳禁と言われましても品物が分からなくては台所とかが使いません。 いえ、台所に試作品があるとは限りませんし…。 ここは早急に見つけなくては。 私は手紙を引きずりながらクリナーレ達の所に行き、起こした。 「うぅ~…もう、ちょっと寝かしてよ~」 「あら。おはよう、お姉さま。」 「おはようございます。アンジェラスさん」 三人が起き、私はさっきまで読んでいた置手紙を皆に見せた。 クリナーレ、パルカは目を擦りながらも手紙を読んだ。 ルーナは、朝はそれなりに強い方なのか眠そうな顔をしていない。 「アニキの奴、また何か作ったの?」 「いったい何かしら?」 「お兄ちゃんの事だから、違法改造系だと思いますね」 やっぱり、皆もご主人様が作った試作品を知らなかったみたいです。 困りました。 こうなったらそれらしき物を探さないといけないね。 「手分けして探しましょ。クリナーレは二階の空き部屋とベランダをお願い」 「うん、行ってくるよ」 「ルーナは地下の研究室をお願いね」 「朝から、あんなほこりっぽい所には行きたくないけど、しかたないわね」 「パルカは一階をお願い。特に台所は厳重に注意してね」 「はい。分かりましたー」 それぞれ皆は私に言われた場所に移動する。 私はまずこの部屋の隅々まで調べたら総合的に地下一階、一階、二階を大まかに見るつもり。 …見るつもりでしたが、少し用事が出来ましたね。 その用事とは今、不自然に机に置かれている一本の煙草の事。 しかも、立っている状態です。 あまりにも不自然です。 普通、煙草でしたら箱に入っているもの。 それが一本だけ。 ご主人様は面倒くさりやだけど、整理整頓はちゃんとやる方。 それに煙草ハンター(ご主人様からもらったあだ名。正直、嬉しくありません)の私が見つけたら煙草を処分をすると、知ってて置いたのでしょうか? でも今回のご主人様なら、ありえるかもしれません。 あの置手紙の殴り書きからして相当慌てていたに違いない。 それじゃあ仕方ないんですよね。 さて、私はととっとこの煙草を処分して試作品を探さないと。 私は煙草を掴み灰皿に入れ、ご主人様が隠している机の引き出しからジッポを取り、煙草に火を点けよとした。 しかし、火はなかなか煙草に点かない。 「うん?おかしいですね」 仕方なく再び机の引き出しあさりジッポに入れるオイル缶を見つけて、オイルを煙草にかける。 「これならすぐに燃えるでしょう」 私はまたジッポに火を点けた。 そしてジッポオイルがベトベトについた煙草に火を点けようとした。 …。 ……。 ………。 龍悪の視点 「ふぅ~なんとか間に合ったぜ」 額の冷や汗を右手の裾で拭い喫煙所の椅子に座った。 胸ポケットから煙草と百円ライターを取り出す。 本来ならジッポライターなのだが、今日は慌てて出て行ったからジッポを家に忘れたのだ。 おかげでコンビニに行ってライターを買うはめになった。 まぁ煙草が吸えないよりまだマシか。 煙草を銜え百円ライターの火を点ける。 煙草に火を点けようと百円ライターを煙草に近づけよとした、その瞬間。 ♪ー♪♪♪ー♭♪♭♪ー♪♭♪ー♪♪ー 携帯電話の着メロが流れた。 なんだ、こんな時に? おかげで俺は煙草を吸う事が出来なくなり百円ライターの火を消し椅子に置き、ズボンのポケットから携帯電話を取り出す。 ディスプレイには『十六夜婪』と表示されていた。 あの野郎、いったい何の用事だ。 受話器ボタンを押して右耳に電話を押し付ける。 「もしもし?」 「あっ先輩!大変です!!すぐにあたし達のマイホームに来てください!!!」 婪の声は物凄い慌てたたような声が耳に入る。 婪にしては珍しい。 いったいどうしたのだろう? でも一つ気になるのが…マイホーム? 「マイホームって…確かに俺の家だが、お前の家じゃないだろう」 「だって、いずれあたし達が結婚するんだから、あたしの家でもあるじゃないですかー♪」 「ルンルン気分な声出すんじゃねぇー!さっきの慌ててた声はどうした?いったい何が起きたんだ?」 「そ、そうでした!先輩の家に早く来てください!!」 「俺の家がどうかしたのか?」 「いいから早く来てくださいね!あたしは家の門前で待ってますから!!」 「おい婪!理由を教えろ!!…て、切れてやがる。畜生、訳解んねぇーよ!!!」 俺はすぐに愛車を止めてる駐車場に行き、車のエンジンをかけスピード違反ギリギリの速度で自分の家に向かった。 …。 ……。 ………。 家の近くまで行くと婪が両手上げて騒いでいた。 路駐して車から勢い良く飛び出し婪の所まで走る。 「婪いったい何が、ウオォ!?」 婪はいきなり俺に抱きつき、背中には婪の両腕がガッシリとまわせられまるで恋人同士が抱き合う状態になってしまった。 正直、ヤめてほしい。 「先輩ー!あたし達のマイホームが!!」 「だぁー気色悪い!離れろー!!」 「やん!先輩、なにあたしの胸を鷲掴みしてるんですか!!でも先輩ならどんな事されてもオッケーです♪」 「テメェのペッタンコの胸なんか興味ねぇーよ!つか、男だろうが!!」 「愛があれば性別なんか関係ないわ!」 「フザケンナ!っで、俺の家がどうかしたのか?それと、いい加減離れろ」 「残念ですもっと先輩の温もりを感じたかったのに」 「…ホント早く用件を言わないと、その顔を二倍の面積にしってやるぞ」 両手を拳にして、婪を睨みつける。 すると、流石の婪も俺の身体から離れ俺の家を人差し指で示す。 「あそこを見てください」 「う~ん…ギャアアアアァァァァ!!!!俺の家が半壊してるーーーー!!!! (;° ロ°) ナンジャコリャ」 両手で頭を押さえ絶叫する俺。 それもそのはずだ。 なんせ俺の家が…壊れてるのだから。 特に酷いのは俺の部屋の場所だ。 だって外から見ると屋根がフトットンでってボロボロの部屋が見えるんだもん。 何でこんな事になっちゃったのだろう…。 ちょっと頭の中で整理してみよう。 まず、俺は試作品を作り終わって、レポートの書くために学校に行ったんだったけ? 俺の行動にはこんな事になる要素はないなぁ。 じゃあ泥棒か? いやいや、それもありえない。 戸締りはしっかりしたはずだ。 泥棒はありえない。 それじゃあいったい誰が…。 と、そこで不意にアンジェラスの顔が浮かんだ。 アンジェラスかぁ~。 もしあの試作品を見たらとる行動少し考えてみよう。 起きる→置手紙を見る→注意するように書いてあるから神経が高ぶる→試作品を見る→アンジェラスは煙草ハンター→試作品を処分する→爆発。 「………」 あぁ~なんかヤバイ事になってきたぞ。 兎に角、家に行ってみるしかない! 婪を振り切り玄関から入る。 一階は全然大丈夫みたいだな。 問題は二階の俺の部屋だ。 ダダダダッと、階段を上りきり俺の部屋に行く。 予想通りに俺の青空教室も真っ青な感じのオープン状態だった。 「アニキー!」 「ダーリンー!」 「お兄ちゃんー!」 「クリナーレ、ルーナ、パルカ!お前等は大丈夫だったみたいだな」 いつの間にか足元に居たクリナーレ達を左手の手の平に乗せ目線と同じ高さにした。 クリナーレ達の身体を見た。 傷とかは何もなかったので少しホッとした。 だけどアンジェラスだけが居ない。 心が焦る。 とても不安は募り心臓が鼓動が高くなる。 心配。 アンジェラスの事がとても心配だ。 「アンジェラスー!おーい!!返事してくれー!!!」 「はぁーい!」 頭上から声が聞こえた、その声の主が俺の目の前に飛んで来た。 アンジェラスだった。 背中には違法改造されたリアウイングAAU7を装着と、それとエクステンドブースターがさらに二つ装着していた。 「ご主人様、スミマセン。ご主人様の部屋を破壊してしまいました。まさか、あの煙草が爆発すると思わなくて…」 物凄く悲しそう顔をするアンジェラス。 目に涙をため上目遣いがなんとも萌えをそそる。 俺はアンジェラスを右手の手の平に乗せるとほお擦りした。 「ご、ご主人様!?」 「よかった。本当によかった。アンジェラスが生きていて」 「…ご主人様ー」 アンジェラスも両手広げて俺の顔に付く。 よかった…皆が生きていて…アンジェラスが生きていて…。 …。 ……。 ………。 この事件の真相はこうだ。 アンジェラスは試作品を煙草だと勘違いし火を点火してしまった。 ほんでもって…ボカーン! という訳。 まぁそれはしょうがない。 だってその試作品の形状は煙草そっくりなのだから。 今度オヤッさんに渡す武装神姫用の手榴弾型武器だったのだ。 アンジェラスが煙草ハンターだった事を忘れてたぜ。 兎に角、こいつらが助かってよかった。 一旦、一階に行き皆で休息にはいり、俺は念のためアンジェラスが何処か壊れてないか見るために、今はアンジェラスの身体をいじってる。 クリナーレ達は爆発した場所から遠くに居たから大丈夫なのに『私達も見て~』みたいな事を言う。 大丈夫だって言ってるのに結構しつこかったから後で『見てあげるから』と言い待ってもらう事にした。 アンジェラスの身体を俺が解る領域で調べ異常があるから見る。 …どうやら異常はないみたいだ。 ホント、良かったぜ。 「アンジェラス、大丈夫だぜ」 「ありがとうございます、ご主人様」 「アンジェラスが終わったらのなら私達を見てよ~」 「はいはい。クリナーレにルーナにパルカ来な、見てやるよ」 俺の目の前に寝そべり無防備になる。 あ~、もしクリナーレ達が人間なら襲っちゃっているよ。 だって可愛いすぎなんだもん。 「にしても先輩、良かったですね。先輩の神姫達が助かって」 「そうだな。婪、俺はお前に謝なければならない」 「え!?なんで謝るの?」 「だって俺はお前の厚意を疑ったんだぜ」 「いいの。あたしは先輩にどんな風に思われてもいいの」 「婪…」 「先輩…」 うっとりとした婪の顔。 微妙に頬を桃色に染め長い髪の毛からはいい匂いが鼻孔擽り淫靡な感じさせる。 ヤベ~可愛いすぎ。 イヤイヤ、婪は男だぞ。 しかも、一回襲われて俺のナニは………あぁ~、思い出すけど背筋がゾクゾクする。 で、でも今の婪なら…キスぐらいなら…許してもいいかなぁ。 「ご・しゅ・じ・ん・さ・ま!な~にしてんですか」 「うお!?アンジェラス、な、なんでもねぇ~よ」 「もう~アンジェラスちゃん邪魔なんかしちゃ駄目ですよ。あたしと先輩の愛の行為に嫉妬しちゃう気持ちは分かりますけど」 「べ、別に私はご主人様が性別の壁を超えた恋愛をしないようにしてるだけです!」 アンジェラスは身振り手振りしながら婪に説明する。 けど、アンジェラスのお陰で助かったぜ。 危うく婪にキスするところだった。 けどよく、アンジェラスの奴助かったなぁ。 実際、あの煙草の爆弾の威力は部屋をぶっ飛ばす威力はない。 アンジェラスが変な使い方をしたから、こんな事になってしまったが…。 部屋がぶっ飛ぶぐらいの威力がある爆弾だったのにアンジェラス自体ほぼ無傷ときてる。 普通の神姫なら粉々になってもいいくらいの威力のはずだ。 一つ解ったと言えば、アンジェラスは普通の神姫じゃないという事だ。
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ウサギのナミダ ACT 1-22 ◆ ギャラリーにはどう見えているだろうか。 おそらくは、力と技がぶつかり合う、真っ向勝負に見えているだろう。 確かに、雪華は正々堂々、真っ向勝負を挑んできた。 逃げない。揺らがない。 ミスティ得意のレンジに踏み込んでまで勝負を挑んでくる。 その姿勢を貫き、勝利を目指す。 それこそが『クイーン』の二つ名の由来であり、神姫プレイヤーから人気を集める理由だった。 だが、バトルの当事者は思い知る。 真っ向勝負? とんでもない。 劣勢とか、そう言うレベルじゃない。 『そこでリバーサル! 二連撃!!』 菜々子の指示が飛ぶ。 もう何度目かの得意技。 この間合い、このタイミング、この速度、そして身体をロールさせながら繰り出す二連撃。 熟達したアーンヴァルでも、このリバーサル・スクラッチはかわせない。 だが。 雪華は、これを紙一重でかわす。手にした剣で反撃すらしてみせる。 「くっ……!」 正々堂々? 真っ向勝負? 違う。 これは「練習」だ。 こっちの本気を練習台にしてしまう、圧倒的実力差。 ミスティは敵を見上げる。 空中に浮かび、羽を広げた雪華は、まるで降臨した大天使のようだ。 その美しい姿に、ミスティは戦慄した。 「本身は抜かないのかよ!?」 「あれは、そう簡単に抜けるもんじゃないのよ!」 虎実の叫びに、菜々子は応える。 虎実は、ミスティの攻撃が雪華に全く効いていないことを見抜いているようだ。 『本身を抜く』には、試合前からしっかり心構えをする必要がある。 バトル中に切り替えるような便利な使い方はできない。 それに、たとえ本身を抜いたところで、食い下がれるかどうか。 (……まさか、これほどとは) 菜々子は戦慄する。 正々堂々のバトルロンドで、こうもあしらわれるのは初めての経験だった。 どうすればこれほどの実力が身につくというのか。 だが、諦めるわけにはいかない。 せめて一矢報いなくてはならない。 『エトランゼ』の名に賭けて。 そして、遠野とティアにつながなくてはならない。 菜々子は絶望と戦いながらも、ミスティに矢継ぎ早に指示を出していく。 ■ 帰りの電車の中、わたしはずっと考えていた。 マスターのこと。 マスターがわたしを守るために、すべてを賭けてもいいと、言ってくれたのだという。 エルゴの店長さんがそう言っていた。 わたしには、マスターの想いが分からない。 わたしの過去が暴かれたせいで、あれほど酷い目に遭わされたというのに。 それでもなお、わたしを自分の神姫にするために、全力を尽くしてくれている。 マスターのその想いが伝わって、店長さんを動かし、刑事さんを動かし、風俗のお店がなくなって、多くの風俗の神姫が救われた。 それほどの大きな想いをわたしに向けてくれている。 なぜですか? なぜ、それほどまでに、わたしにこだわるんですか? わたしはそんな価値のある神姫ですか? わからない。 わかりません。 わたしにできることなんて、マスターのそばにいて、マスターの指示通りに走るこくらいなのに。 シャツの胸ポケットから、マスターを見上げる。 マスターは物思いに沈んでいるようだった。 この間までのつらそうな表情でないのは救いだったけれど。 わたしはマスターの心に寄り添えないままだった。 刑事さんはわたしに、素晴らしいマスターの神姫であることを忘れてはいけない、と言った。 それはもちろんなのだけれど。 そのマスターのために、わたしは何がしてあげられるんだろう……? □ 時間がないので、昼食は電車の中でパンをかじった。 一度アパートにとって返し、ティアの武装一式を手にして駅前に戻る。 ゲームセンターに着いた時には、久住さんの電話から、もう二時間以上が過ぎていた。 久々のゲームセンターの入り口。 俺は少し感傷的になる。 一歩を踏み出すのが少し怖い。 俺は店の出入りを拒否されているわけで、躊躇するのも分かって欲しいところだ。 久住さんはいるだろうか。 自動ドア越しだと、奥の様子は分からない。 彼女がいてくれないと、俺は針の筵なんだが。 それでも俺が足を進められたのは、今朝方の出来事があったからだろう。 すくなくとも、もう店に黒服の男たちが現れることはない。 自動ドアが開く。 まず俺の耳に聞こえてきたのは、神姫の怒声だった。 「なぜだっ!! なぜあんな淫乱神姫にばっかりこだわるんだ!?」 叫んでいるのはハウリン。 その声を受け流しているのは、銀髪のアーンヴァルのようだ。 「迷惑なエロ神姫なんかより、あたしの方がよっぽど強いのに!!」 「随分とご挨拶だな、ヘルハウンド」 俺が静かに言うと、武装神姫コーナーにいた全員が俺を見た。 「黒兎のマスター……」 ヘルハウンドは怒りの眼差しを俺に向けてきた。 憎悪すら込められていそうだった。 「……遠野くん!」 ギャラリーから抜け出して、久住さんが駆け寄ってきてくれた。 いつものようにジーパン姿のラフな格好。俺は安心したような、残念なような、複雑な気分になった。 「連絡ありがとう。……遅くなってごめん」 「ううん。来てくれてよかった」 いつもよりも微笑みが弱々しく見えるのは気のせいだろうか。 そのとき、ギャラリーの一角から、声があがった。 「おいっ! 黒兎のマスター!! ど、どの面下げてここにきたっ!!」 三強の一人、『ブラッディ・ワイバーン』のマスターがこちらを指さして喚いている。 俺にはそれほどショックはなかった。 こうした中傷は予想の範囲内だったので、心構えもできている。 と、いきなり久住さんがワイバーンのマスターを睨みつけた。 「わたしが呼んだのよ。文句ある?」 耳が凍傷になってしまいそうなほどに冷たい声。 ワイバーンのマスターはそれだけで、急に黙り込んでしまった。 ギャラリーも、何か言いたげな表情だが、黙ったままだ。 ……いったい、どうなっているんだろうか。 俺が驚きを隠せずにいると、久住さんの後ろから、さきほどの銀髪のアーンヴァルを肩に乗せた青年が近づいてきた。 「あなたが、ハイスピードバニー・ティアのマスターですね?」 人が良さそうに微笑む青年と、真剣な面もちの銀髪の神姫。 その後ろに、カメラ用のベストを着用した、年上の女性がいる。 「……遠野くん、彼らがティアを助けてくれたの」 「高村優斗です。こちらは僕の神姫で、雪華」 青年とその神姫は、礼儀正しく会釈した。 それから、後ろの人物を示し、 「それから、この人は、僕らの取材をしている、『バトルロンド・ダイジェスト』の三枝めぐみさん」 「よろしく~」 三枝さん、というその女性は、ひらひらと手を振った。 俺も挨拶する。 「遠野貴樹です。それと、俺の神姫のティア」 「は、はじめまして……」 「ティアを助けてもらって……助かりました。感謝してます」 もう一度俺はお辞儀をした。 顔を上げると、高村と名乗った青年は、ゆるやかに首を振っていた。 「いえ、大したことではありません。 僕たちも、対戦希望の相手を助けられてよかった」 やはり、そうか。 俺はその一言で確信する。 この青年と神姫は、海藤の家で見た映像の、彼らだ。 「まさか、あの『アーンヴァル・クイーン』がティアを助けてくれたとは、正直驚きです」 「僕たちも驚いていますよ。……ああ、僕たちのこと、もう知ってるんですね」 「……秋葉原のチャンプが俺たちと対戦を希望するなんて……冗談じゃなかったんですか」 「まさか。冗談であんなこと言ったりしません」 高村はそう言って微笑んだ。 やたらと人が良さそうな青年だと思う。 その高村の肩に座る、美貌の神姫が口を開いた。 「あなた方との対戦に、ここまで足を運ぶ価値がある、と考えてのことです。 バトルが所望です。いかがですか、『ハイスピードバニー』のマスター?」 長い銀髪を背に流した神姫の言葉は、威厳すら備わっているように感じられる。 なるほど、『クイーン』二つ名は伊達ではない、か。 俺は雪華の問いに、静かに答えた。答えは決まっていた。 「残念だが、お断りする」 ギャラリーがどよめいた。 全国大会レベル、しかも優勝候補とのバトルだ。対戦してみたいと思う方が普通だろう。 しかも、三強の対戦希望を断ってまで、俺たちとのバトルに集中しようとしているのだから、神姫プレイヤーなら受けて立つのが筋と言うものだ。 久住さんが俺の肩にそっと手をおいた。 「遠野くん、彼らはティアを助けてくれたのよ?」 「わかってる。でも、それとこれとは話が別だ」 その手を、俺は邪険にならないようにそっと、はずした。 そして、俺は雪華に向き直って言い切った。 「ティアを助けてくれたことには感謝してる……本当に、感謝してもしきれない。 でも、君たちとバトルはできない」 「なぜです? 理由を教えていただけますか?」 「……君たちがマスコミの取材を受けているからだ」 高村の背後にいた女性は、きょろきょろと辺りを見回すと。 「あ、あたし……!?」 三枝さんは、自分を指さして、びっくりしていた。 俺は高村に話を続ける。 「対戦を申し入れてくるんだから、今俺たちがおかれた状況は知っているんだろう?」 「あぁ、うん。先週来たときに、どうも様子がおかしかったので、調べさせてもらいました」 「だったら分かると思うけど……いま、こんな風に俺たちがゲームセンターで歓迎されていないのも、雑誌記事のせいでね。 今俺は、完璧なマスコミ不信なんだ」 「……それで、僕たちの挑戦を受けないのと、どういう関係が?」 「『バトロンダイジェスト』の、君たちの記事は俺も読んでる。テレビ放送であんなことを言ったんだ。当然、俺たちとのバトルも記事にするつもりなんだろう?」 雑誌記者の三枝さんは俺の言葉に頷いた。 「だったら、対戦なんて受けられない。結果がどうなるにせよ、何を書かれるか分かったものじゃない。今の状況に拍車をかけられたら、たまらないからな」 「……ちょっと! さっきから黙って聞いていれば随分な言い方ね! うちとあんな低俗雑誌を一緒にしないでもらいたいわ!」 三枝さんがたまりかねたように口を挟んだ。 彼女がカチンときているのももっともだ。 なぜなら、俺自身、わざとひどい言い方をしているのだから。 「俺からしてみれば、大して変わらない。 三枝さん、と言いましたか。 あなただって、バトロンダイジェストの記事を書くにあたっては、俺たちに無様に負けて欲しいでしょう? 『クイーン』の連載記事なら、俺だって雪華の華々しい活躍が書きたい。 俺たちみたいな醜聞のただ中にいる神姫プレイヤーを叩きのめす記事なら、うってつけですから」 「なんてこと言うの……うちに記事が載れば、あなたたちだって、評価があがって、誤解が解けるかも知れないじゃない!」 「随分と上から目線ですね。 俺は取材をしてもらいたいだなんて、一言も言ってない。 むしろ迷惑だ。 だったら、あなた方はむしろ、取材させてくださいとお願いする立場なんじゃないんですか?」 三枝さんは言葉に詰まった。 少し心が痛む。 マスコミへの不信感は本当だ。だが、三枝さん個人に恨みがあるわけじゃない。 三枝さんをダシにして、このバトルを断ろうとしている。だから、彼女に悪いところがあるわけではないのだ。 久住さんの手が、また俺の肩におかれた。 「遠野くん……言い過ぎよ」 「……わかってる」 俺は一瞬だけ、彼女の手に触れた。 久住さんはため息をついただけで、何も言わなかった。分かってくれたのだろうか。 俺と三枝さんが睨み合う。 一瞬の沈黙。 それを破ったのは、雪華の声だった。 「それならば、ティアとの対戦は取材をしないようにしてもらいます」 「って、ちょっとぉ!?」 あわてたのは三枝さんだ。 「あなたたちとは、全国大会までの動向のすべてを取材する契約でしょう!? たとえ草バトルとはいえ、取材しないわけにいかないわよ!」 「ならば、契約を解除します。そうすれば、ティアと戦える」 三枝さんが絶句した。 マスターの高村が口を挟む。 「雪華……『バトルロンド・ダイジェスト』からは、いっさいの取材を断らない代わりに、スポンサードを受けている。そういうわけにはいかないよ」 「スポンサー契約など無くても、わたしたちは全国大会を戦えます。また、契約があるからといって、勝ち抜けるとは限りません。 セカンドリーグの全国大会選手でも、そんな契約をしているのはほんの一握りでしょう。大多数の選手と同様の条件でも、わたしたちは十分に戦えるはずです」 ……何か話が大事になってきた。 雪華の言うスポンサー契約は、神姫プレイヤーが特定の企業や団体と契約を結んで、バトルロンドの活動資金や武装などを出してもらうことだ。 そのかわりに、その神姫はメーカーが提供する武装やパーツを使用したり、ボディなどにメーカーロゴをペイントしたりして、広告塔としての役割を果たす。 通称「リアルリーグ」と呼ばれるファーストリーグは、そうしたスポンサー契約も盛んに行われている。 セカンドリーグではあまりそういう話はない。セカンドリーグ上位の有名神姫プレイヤーくらいだろうか。 雪華は『バトルロンド・ダイジェスト』と契約を結んでいるらしい。 バトルロンド専門誌からスポンサー契約を受けているとは、どれだけ実力があるということなのだろうか。 それにしても、俺たちとの対戦がそこまで重要か? スポンサー契約がなくなれば、資金面で厳しくなる。 そうした契約自体が少ないセカンドリーグとはいえ、全国を勝ち抜くにあたって、資金がないよりはあった方が有利であるはずだ。 それを雪華は、俺たちとの対戦で捨ててもいいと思っている。 いったい、何を考えているのだろう。 「だったら、そんな腰抜けほっといて、俺たちの挑戦を受ければいいじゃねーか。俺たちは取材、大歓迎だぜ?」 その声に、ギャラリーも沸く。 口を挟んだのは、『玉虫色のエスパディア』のマスターだった。 どうも、三強はクイーンに対戦を申し入れて、ことごとく断られたようだ。 にやにやとした笑みを張り付けた顔に、雪華は冷たい一瞥を放った。 「……あなた方との対戦は、意味がありません」 「な……なんだと……!?」 「わざわざここまで足を運んできた意味がないのです。 わたしたちがハイスピードバニーやエトランゼと対戦を望むのは、彼女たちが唯一無二の戦い方をしているからです。 わたしが東東京地区大会のインタビューで挙げた武装神姫は、いずれもそういう戦いを展開し、大会にはエントリーしない神姫ばかりです。 わたしはそのような神姫との戦いを望んでいます。 ただ強いだけの神姫なら、ここまで来る必要がないのです」 高村は、雪華の言葉に、肩をすくめて頷いていた。 なるほど。確かに、ティアの戦い方は唯一無二だろう。雪華はそこに価値を感じているということか。 三強は確かに強いが、大会にでてくる神姫に比べると見劣りがする。戦い方も、標準の域を出ない、というところか。 見れば、玉虫色のマスターは、口をぱくぱくさせながら、怒りの矛先を向ける方向を失っているようだった。 神姫にあそこまで言われたなら、もっと噛みついてきてもいいはずなのだが……何か思うところがあるのだろうか。 そんなことを考えていると、左胸のあたりから声がした。 「マスター……」 「どうした、ティア」 「雪華さんとの対戦、受けてください……お願いします」 突然何を言い出すんだ。 俺は驚いて、ティアを見下ろす。 雪華の様子を見ていたティアは、不意に俺の方へ視線を向ける。 その顔には必死さが滲んでいた。 次へ> トップページに戻る
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{イリーガル・レプリカ迎撃指令…ルーナ編} ルーナの視点 「それじゃあ全員散開。敵は見つけ次第破壊で頼む。あ、でもちゃんと連絡する事。けっして無茶して闘おうとするんじゃないぞ」 「「「「はい!」」」」 「よし!散開!!」 ダーリンの声と同時にアタシ達、四人の神姫達はアンダーグラウンドの夜に飛び立つ。 満月がとても綺麗ですわ。 たまには一人になるのもいいですわね…あっそうでしたわ、アタシの右手には沙羅曼蛇を持っているから一人じゃないですわね。 一人の時は訓練と調整の毎日でした。 …でもあの時のアタシとは違う。 今のアタシにはダーリンが居てアンジェラスお姉様、クリナーレお姉様、パルカがいるのだから。 だから大丈夫。 気分治しにリアウイングAAU7を使い自由に飛び回る。 アタシが今飛んでる高度は100メートル、とても風が冷たいですわ。 でもこの前よりは寒くありませんわね。 それにすでに召喚した沙羅曼蛇も上機嫌みたいだし、今日は絶好調です。 そんな時。 <………。……> 「え、敵を見つけたって?地上から5メートル、数は二人ですか」 <……?> 「う~ん、ダーリンの話だと連絡しないといけない事になっていますけど…いいです、連絡はしないまま破壊しますわ」 <…?> 「大丈夫ですわ。私と沙羅曼蛇がいるのですもの」 <…!> 「言い答えね。それでは…行きますわよ!」 一気に物凄いスピードで急行下しながら低空飛行しているイリーガル・レプリカの二体を補足する。 型はジルダリアとジュビジーですか。 なら比較的に防御が弱いジルダリアを狙います! 沙羅曼蛇を構えジルダリアに! ズバッ! 「ッ!?!?」 一刀両断ですわ! ジルダリアは頭から身体ごと縦に真っ二つに裂け、断末魔を叫ぶ事も出来ないまま機能停止しました。 少し可哀想と思いますが、これもダーリンの為。 しかたない事です! 「お姉ちゃん!?お前ー!」 ジュビジーは怒り狂いながら私にグリーンカッターで攻撃してきました。 アタシというとソレを冷静に対処しながら、沙羅曼蛇で防ぎ体勢を立て直します。 ぎざぎざの葉を模した回転のこぎりのグリーンカッターが容赦なく沙羅曼蛇を刻む。 でもそれは無駄な事ですわ。 <…笑止> 「え!?グリーンカッターが!?!?」 グリーンカッターは沙羅曼蛇を刻むどころか、ボボボボと燃えていく。 それもそのはずですわ、だって、沙羅曼蛇は火炎灼剣なのですよ。 葉っぱを火に近づけたら燃えるに決まってるじゃないですか。 それにいくら葉を模したといえで、所詮植物系統。 炎に勝てる訳ないですわ。 ジュビジーはグリーンカッターを捨て後退しアタシとの間合いを取る。 まぁー妥当な考えだと思いますわね。 「あのジルダリアは貴女のお姉様だったのかしら?」 「そうよ!何でお姉ちゃんを殺したの!!」 「あら?殺したという表現は違いますわよ。破壊、ですわ」 「はか…い…」 このジュビジー、ちょっとオカシイですわね。 『死』という表現と定義をまるで人間と同じように言う。 「ち、違う!私達は破壊という扱いじゃない!!死ぬという扱いだわ!!!」 「違いますわ。アタシ達は武装神姫。人間の娯楽ために作られた精密機械人形」 「違う!あたしもお姉ちゃんも違うー!!」 リアパーツのキュベレーアフェクションを私に向け、突撃してきた。 キュベレーアフェクションの『収穫の季節』の攻撃をするつもりね。 <…!?主!> 「大丈夫…何もしなくていいの」 「私の必殺技っ!クラエー!!」 <主!> 「………」 ズガシャーーーー!!!! キュベレーアフェクションが一気にアタシを囲み鋭く尖った部分で挟み込む。 普通の神姫なら即穴だらけにされてしまう攻撃ですね。 …でも。 「…そ、そんな……!?」 「気は…済みましたか?」 アタシは健在していますわ。 本来なら例えVIS社製のこの素体のボディーでも重傷免れなかったでしょう…でも残念ながらそう簡単にやられる訳にはいけません。 そして何故穴だらけにならなかったというと、キュベレーアフェクションのニードルシールドがドロドロと溶けていくからです。 「どうして!?何で溶けていくの!?!?」 「それはダーリンが守ってくれたからです」 私は両手を胸元に優しく沿え瞼閉じる。 究極生命態システマイザー。 実はダーリンが私専用に作ってくれたらアーマーなのですわ。 ダーリンが真心を込めてアタシに作ってくれた、この究極生命態システマイザーは目に見えないけど、アタシを守ってくれるもの。 簡潔的に言うとこの究極生命態システマイザーはナノマシンの親戚みたいなものらしく、アタシの保護と回復と補佐をしてくれるシステム。 そのシステムはアタシの身体全体に張り巡らせているのです。 「どうして!?なんで攻撃が効かないの!他の神姫には効いたのに!!」 「今から破壊される貴女が知る必要はありませんわ」 「ヒィッ!?」 沙羅曼蛇を構え一撃で仕留める為に神経を集中させる。 このイリーガル・レプリカのジュビジーには悪いけど、破壊させてもらいます! <蛇眼!> 「ナッ!?動けな――――」 「…さようなら」 シュン! 一瞬にしてジュビジーの後方に居る私。 そして音も無くジュビジーは細切れのバラバラになりながら、暗いアンダーグラウンドの町に落ちっていった。 アタシは沙羅曼蛇を左手で摩りながら一人呟く。 「貴女の気持ち、今のアタシなら分かるわ。だって…昔のアタシは…ただの殺戮兵器でしたもの…」 昔の記憶はあんまり覚えてないけど、あの禍々しくおぞましい記憶は覚えてるわ…。 とても悲しい記憶だけど…。 お姉様…アタシは…。 「あぁー!こんな所に居た!!」 後ろから声がしたので振り返ると、そこに居たのはアンジェラスお姉様だった。 「も~、いったい何処まで探索しに行ってたのよー」 「あら、ここまでですわ♪」 「…そりゃあルーナはここに居るのだからここまでだけど…て、そうじゃなくて!」 「それよりも早くダーリンの所へ戻った方が宜しいじゃなくて?アタシを向かいに来たのはそいう意味も含めてでしょ?」 「アッ!そうだった!!さぁ早くご主人様の所に帰ろう!!!」 アンジェラスお姉様はアタシの左手を掴み引っ張る。 フフッ、アンジェラスお姉様はそそっかしいですね。 そんなにダーリンの所に早く帰りたいんだですか♪ 気持ちは良く分かりますわ。 嫉妬心も出てきちゃいますけど。 …あの頃。 あの頃のアンジェラスお姉様と比べたら…いえ、比べる必要ありませんわ。 アンジェラスお姉様はアンジェラスお姉様ですもの。 いつまでも皆と仲良く生きたいですわ。 そう、いつまでも…。 こうして今日というアタシの日にちは終り告げる。
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ホワイトファング・ハウリングソウル 第十九話 『砕かれた未来~The broken future~』 時は少し遡る。 ぽつりと、アメティスタの頬に水滴が当たる。 それが都か或いは自分の涙か、それとも雨か・・・アメティスタにはわからない。 「・・・・言いたいことは、それだけ・・・?」 都は、そういうと右手を大きく振りかぶる。 「駄目だ! マスター!!」 「マイスター!!」 都がやろうとしていることを理解したハウとノワールが止めようとするが、もう間に合わない。 大きく振りかぶられた右手は、ほんの一瞬、躊躇するように止まってから 「――――――――――――――!」 勢いよく、振り下ろされた。 ・・・・・・・・アメティスタは、ゆっくりと目を開ける。 自分の体がまだ無事であることに疑問を覚え、横を見る。 そこには都の手があった。 「・・・・壊さないの?」 その手をみながら、彼女は言った。 都は何も言わない。 「・・・・ボクは、キミになら壊されてもいいと思ってたんだけど」 「・・・・・・・・・・いだろう」 と、都が何かを口にする。 「・・・・殺せるわけ、無いだろう・・・!」 都は・・・都は泣いていた。 雨の中でも判るくらい、泣いていた。 「どうして? ボクは武装神姫・・・ただのオモチャだ。それに殺すんじゃない。壊すんだ」 「・・・私は、ハウとノワールを家族だと思ってる。・・・・サラとマイは友達だ・・・!」 「ボクたちを人間と区別していないのか。それは単なる誤解と錯覚だ。ボクたちとキミ達じゃ根本的に・・・・」 「そんなことは判ってる」 都はそういって、アメティスタを押さえつけていた左手を離す。 「・・・・・でも、殺せない」 「・・・・なぜ?」 「・・・・そんな泣いてる奴を、殺せるか」 言われてアメティスタは始めて気づく。 彼女の頬は・・・涙で濡れていた。 「・・・・・・・・・どうして」 「そんなもの私が知るか・・・畜生ッ!」 そういうと都は持っていた石を川に向かって投げつける。 大きな音がして、小さな水柱が上がった。 「・・・よかった。マスター・・・」 「・・・・ん」 と、都を止めようとしていたハウとノワールが溜息をつく。 「・・・悪かった。ついかっとなってな」 その様子を見て都はすぐに謝った。 間違いを起こす前に本気で止めようとしてくれたからというのもあるが、やはり心配をかけたからだろう。 都が謝り、発言するものがいなくなり場を静寂が包む。 その静寂を破ったのはやはり都だった。 「・・・・お前、壊れてなんていないだろう」 その言葉はアメティスタに向けられたものだった。 「・・・・どうしてそう思うのかな?」 都の言葉にアメティスタはそう返した。 「簡単だ。お前、私を怒らせようとしてたな? 昔の事を思い出させて怒らせて・・・自分が真犯人だって言って。そんなことを言われたら私がどうなるか、判っていたんだろう? 小さな予言者さん」 今までのお返しとばかりに皮肉たっぷりに都は言う。 「どうなるか判ってて何故私にそんなことをするのか。何故罪の告白がしたいのに、相手を怒らせるのか。それが判らなかったが・・・お前、もしかして殺して欲しかったんじゃないか」 アメティスタは答えない。 しかしそれは肯定と同義の無言だった。 「さっきの話だと“壊れてるからアシモフコードを無視できる”はずだ。だったら自殺だって・・・できるはずだ。じゃぁなんで私に殺させようとする? それは・・・お前が壊れてないからだ」 「穴だらけで推理とも呼べない。それは殆どがキミの妄想と傲慢と身の程知らずから来た考えにしか思えないね」 ようやくアメティスタが口を開く。 「そもそもボクが自殺したがってるって根拠は何さ。それにボクは衛にぃを・・・殺した。これで壊れていないわけが・・・」 「アシモフコードが未来予知とか、そんな事にまで対応できるわけ無いだろう。元々コードには抵触しないんだよ。・・・・衛のことはな」 「・・・・ボクが見た程度の事じゃ、マスターの死に直結するとは判断されなかったってこと?」 「そうだ」 都は肯く。 アシモフコードは今更言うまでもなくロボット三原則の事だ。その第一条・・・『ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危害を看過することによって人間に危害を及ぼしてはならない』にアメティスタの予言は抵触するか否か。 するわけが無い。 それはまだ起こっていない事、起こるかどうかすらわからないこと。 そして何より・・・予知は果たして神姫のアシモフコードに認識されているかということ。 「アシモフコードに認識されなければそれはプログラム的には“無い”ことにされるんだろう。もともと予知そのものがイレギュラーな要素だから認識されないのはある意味当然といえる」 「・・・つまり、あれは不幸な事故だったというの?」 「そうだ。アイツが死んだことで、誰か悪者を作り出すなら・・・車の運転手以外にだれもいやしないってことさ」 都はそういって黙る。 雨は、少し酷くなってきていた。 「・・・キミはそれで、納得できるの?」 「理解できないものに何か理由をつけ、理解した気になる。それが悪いこととは言わないがね。納得するさ。だってあそこで・・・私の目の前で起きた出来事には、お前が介入する余地なんかないんだから」 都は迷い無くそういいきった。 それは・・・アメティスタの罪を、許すといっているのと同義だ。 「・・・はぁ。また死に損なっちゃった。いい加減、衛にぃの所に行きたいんだけどな」 「やっと本音を言ったなこの馬鹿魚」 アメティスタのその言葉に、都はキシシと笑う。 その笑顔に偽りは無く・・・本当に楽しそうだった。 「・・・なぁ。お前、今何処に世話になってるんだ」 「山下りたとこにある神社だよ。・・・・ボクを引き取るってんならお断りだよ。ボクは今のこの生活が気に入ってるんだ」 「お見通しか」 「・・・ま、たまには遊びに行ってもいいけど」 「・・・・クク、素直じゃないな」 そういって更に笑う都。 雨はもう・・・・降っていなかった。 前・・・次